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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
清人は花憐に外で待っていると囁き、文子に一礼して部屋を出ていった。

「伯母さま・・・」
「花憐。この結婚があなたを幸せにすることを、心から願います。しかし、結婚とは何が起こるか
わからないものでもあります。何かあった時は迷わず私を訪ねてね。
家のことなど気にしなくていいのよ」
「・・・ありがとうございます」

花憐はそう返事したものの、文子にこれ以上世話になるつもりはなかった。
父方の親戚は他にもいるが、花憐のことを気にかけてくれたのは文子だけだった。
父の面影を感じる年老いた伯母に、これ以上迷惑をかけることなど出来ない。

花憐は文子の前に跪き、文子を見上げた。
二人は固く手を握り合ったまま、しばらく何も言わずに見つめあった。

「・・・また遊びに来てくれるわね?」
「はい・・・・」

文子は優しく花憐の頭を撫でて微笑んだ。
花憐は立ち上がり、深々と頭を下げた。

「ありがとうございました・・・!」

花憐はそう言うと、文子に背中を見守られているのを感じながら部屋を出た。
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