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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い

「ごめん。呼び止めて。ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」
「はい」
「彼、本当に大丈夫かな」
やはり土方は清人のことを心配しているのだった。
「大丈夫・・・だと思います」
花憐は大丈夫かと聞かれて、思わず自信ない様子で答えてしまった。
「花憐ちゃんが選んだ人だから、僕が口出しすることでもないんだけど、有坂が残した財産は少なくないからね・・・」
清人が財産目当てではないのかと心配しているのだった。まさか自分から財産目当てで結婚
してくれと花憐から申し込んだとは思いもしないだろう。
「それから、昨日からなんだけど、あの貴子って女からひっきりなしにうちに電話がかかってきている。
君が来たら事務所から出さずにすぐに連絡しろと言われたけど、僕はそんなことするつもりはないから安心して。話の感じだと、彼女は結婚のことまだ知らないようだね。万が一男を
連れてくるようなことがあっても、そんな結婚は私が許さないって、すごい大騒ぎだったよ」
貴子がすぐ近くにいるような気がして、花憐の背筋に悪寒が走った。
「まったく・・・。有坂も’結婚’なんか条件にしないで、全部花憐ちゃんに相続させれば
良かったんだ。あんな女にほだされちゃって・・・。あ、失礼」
土方は貴子の悪口を言ってしまったことを、少し申し訳なさそうに謝った。
「でもね、花憐ちゃん。結婚の手続きが終わっても、あの人は何するかわからないところがあるよ。くれぐれも気をつけて。金額が金額なだけに、問題も大きくなるからね」
貴子が何をするかわからない、というのは花憐誰よりもが知っていることだった。
花憐は黙って頷いた。
「はい」
「彼、本当に大丈夫かな」
やはり土方は清人のことを心配しているのだった。
「大丈夫・・・だと思います」
花憐は大丈夫かと聞かれて、思わず自信ない様子で答えてしまった。
「花憐ちゃんが選んだ人だから、僕が口出しすることでもないんだけど、有坂が残した財産は少なくないからね・・・」
清人が財産目当てではないのかと心配しているのだった。まさか自分から財産目当てで結婚
してくれと花憐から申し込んだとは思いもしないだろう。
「それから、昨日からなんだけど、あの貴子って女からひっきりなしにうちに電話がかかってきている。
君が来たら事務所から出さずにすぐに連絡しろと言われたけど、僕はそんなことするつもりはないから安心して。話の感じだと、彼女は結婚のことまだ知らないようだね。万が一男を
連れてくるようなことがあっても、そんな結婚は私が許さないって、すごい大騒ぎだったよ」
貴子がすぐ近くにいるような気がして、花憐の背筋に悪寒が走った。
「まったく・・・。有坂も’結婚’なんか条件にしないで、全部花憐ちゃんに相続させれば
良かったんだ。あんな女にほだされちゃって・・・。あ、失礼」
土方は貴子の悪口を言ってしまったことを、少し申し訳なさそうに謝った。
「でもね、花憐ちゃん。結婚の手続きが終わっても、あの人は何するかわからないところがあるよ。くれぐれも気をつけて。金額が金額なだけに、問題も大きくなるからね」
貴子が何をするかわからない、というのは花憐誰よりもが知っていることだった。
花憐は黙って頷いた。

