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第2章 秘めた想い

清人の家は高級住宅地にある、一戸建ての家だった。
白を基調としたシンプルな家だった。庭にプールとテラスがあり、リビングの庭に面した部分は全てガラス張りで、日の光が入り、とても明るかった。

「二階が客室なんだ。バスルームも付いてるから、君はそちらを使うといい。
部屋にミニキッチンも付いてるけど、こっちのキッチンも自由に使っていい。
俺は家でほとんど食事をしないから、俺のことは気にしないで、君の好きなようにしたらいい。
ハウスキーパーがいるから掃除の必要はないよ」

清人は花憐に簡単に説明すると、すぐに委任状を書かせた。

「とりあえず正式に結婚するまでは、誰かが尋ねてきても出る必要はない。居留守を使って。
じゃあ、俺は今から府中に行ってくる。何かあったら電話して」

そう言うと、すぐさま車で府中へと出発していった。

花憐は鍵をかけて、二階へ上がった。

客室リビングは同じく白を基調としてコーディネートされ、日が差し込み、とても明るかった。
ミニキッチンには冷蔵庫やポット、食器も一通り揃っている。
テレビやソファが置いてあり、北欧風のキャビネットとテーブルは白い部屋にとてもよく合っていた。

寝室はリビングの奥に続いていて、大きなベッドとチェスト。物書き用のデスク・チェアセットが壁際にあり、リビングとは違い、ブラウンで統一された落ち着いた部屋だった。

天窓のあるバスルームは、やはり明るく、薄いグリーンのタイルと、白いバスタブが眩しいほどだった。
壁には小さいテレビまで埋め込まれていた。

花憐は荷物を置き、ソファに座った。
何の音も聞こえず、静かだった。

大きなソファの上には、柔らかいふわふわのクッションが置いてある。
花憐は体をクッションに沈め、目を閉じた。

見知らぬ土地にいることは、花憐を安心させた。貴子たちがここまで追ってくることはないと思えたからだ。

温かい日差しと、柔らかなクッションの感触は、花憐を眠りの世界に引き込んでいく。
昨日からの疲れが一気に溢れ出てきたように、体と頭が重たかった。

花憐は久しぶりに安らかな気持ちになって、眠りに落ちたのだった。