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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
食事会は大河邸の広間で行われ、案の定、花憐は’品定め’された。
特に長男の嫁からは、あらゆる質問を浴びせられ、遠まわしに嫌みを言われた。

「あら、大学もお出になられてないんですの?’家事手伝い’というやつかしら。
箱入り娘なんて今は流行らないかと思ってましたけど・・・」

その度に清人が応戦してくれるのだった。

「彼女は病弱でして、高校卒業とともに療養されていたんですよ。お義姉さんのように、健康が取り柄の方が羨ましいですね。近頃、ますます’安定’されているみたいで、本当に羨ましい限りです」

清人は、義姉が太っていることを揶揄して言った。
義姉は顔を赤らめて清人を睨んだ。

「・・・・清人さんは、本当口が達者ですのね。あなたが大河建設のお仕事に携わっていないことが唯一の救いですわ」

義姉はお前は大河ののけ者だ、水商売しかできない人間なのだと、わざわざみんなの前で
公言したが、清人は慣れているようで、まったく表情を崩すことはなかった。

「僕としてもありがたいですね。兄さんたちと一緒に仕事をするのは脅威以外の何者でも
ありません」
「あなたのような方は、今のお仕事が合ってらっしゃるのでしょうね。神経が図太い・・・失礼、物事に動じないような方は最適でしょうね」

この二人はどうやら犬猿の仲らしい。二人の間で火花が飛んでいる。

「良くご存知ですね。この仕事は気苦労が耐えません。例えば、大河の長男の嫁が帝国ホテルに男と出入りしているという噂なんかも耳にしますからね。’噂話’を聞き流すのもなかなか面倒で疲れますよ。神経も図太くなります」

清人はこれ以上黙っておけという最後通告を叩きつけた。
全員が義姉の方に視線を向ける。

「な・・・・、なにを言ってるんです!そんな嘘、冗談でも失礼が過ぎますわ!」

この戦いは清人の勝ちだった。義姉は黙り込み、しばらくすると具合が悪いと言って席を立った。
気まずい雰囲気の中、清人だけが微笑みをたたえて食事をしていた。

(本当にこの人・・・神経が図太いわ・・・・)

末っ子特有の自由奔放さだけではなく、清人には家族に対して一種の冷めた感情ようなものがあるように思えた。
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