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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い

兄達は皆父親にそっくりで、無口だった。常に怒っているような表情で食事をしていた。
その妻たちも、決して美しいとは言えず、それでいて貴金属をこれでもかと身に纏い、高価な着物を着て、上流の人間を装っているのだった。
清人は明らかに浮いており、そこには家族の絆のようなものは見られなかった。
食事が終わると、男性だけが応接間に集まり、女性はリビングでお茶をすることになった。
特に会話に加わることもなく、ひっそりと紅茶を飲んでいた花憐のもとに、子供が二人やってきた。
男の子と女の子だった。
「二人とも、ご挨拶しなさい」
どうやら、清人の3番目の兄の子供のようだった。
二人は恥ずかしそうにもじもじしていたが、兄が最初に挨拶をすると、妹もそれに続いた。
「初めまして。こんにちは」
「こんにちは」
小さな手が差し出され、花憐は思わず表情を緩めて、手を取った。
「こんにちは。花憐といいます。よろしくね」
二人とも嬉しそうに微笑むと、花憐の手を取って、外で遊ぼうと言い出した。
花憐は正直言うと、その場から抜けたいと思っていたのだが、果たして’主役’の自分が
抜けていいものかわからず、清人の母に視線を向けた。
「・・・・よろしかったら遊んでやってください」
清人の母がそう言うと、子供たちは喜びの声をあげ、花憐をぐいぐいと引っ張って連れ出した。
その妻たちも、決して美しいとは言えず、それでいて貴金属をこれでもかと身に纏い、高価な着物を着て、上流の人間を装っているのだった。
清人は明らかに浮いており、そこには家族の絆のようなものは見られなかった。
食事が終わると、男性だけが応接間に集まり、女性はリビングでお茶をすることになった。
特に会話に加わることもなく、ひっそりと紅茶を飲んでいた花憐のもとに、子供が二人やってきた。
男の子と女の子だった。
「二人とも、ご挨拶しなさい」
どうやら、清人の3番目の兄の子供のようだった。
二人は恥ずかしそうにもじもじしていたが、兄が最初に挨拶をすると、妹もそれに続いた。
「初めまして。こんにちは」
「こんにちは」
小さな手が差し出され、花憐は思わず表情を緩めて、手を取った。
「こんにちは。花憐といいます。よろしくね」
二人とも嬉しそうに微笑むと、花憐の手を取って、外で遊ぼうと言い出した。
花憐は正直言うと、その場から抜けたいと思っていたのだが、果たして’主役’の自分が
抜けていいものかわからず、清人の母に視線を向けた。
「・・・・よろしかったら遊んでやってください」
清人の母がそう言うと、子供たちは喜びの声をあげ、花憐をぐいぐいと引っ張って連れ出した。

