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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
「それでは、また今度改めて来ます」

清人は両親に告げると、頭を軽く下げた。

「・・・・花憐さん。清人を、宜しくお願いします・・・・」

清人の母が、花憐に向かって深々と頭を下げた。
花憐も、こちらこそ・・・と言って頭を下げた。

特に両親から花憐に対して咎められることもなく挨拶は終わった。

「疲れた?たいしたことなかっただろ?」
「はい。大丈夫です」
「・・・・子供、欲しくなった?」

清人が意味ありげに微笑んで、横目で花憐を見た。

「・・・・・・」

花憐は何も言えずにうつむいた。

「俺はいつでも協力するよ」

車を区役所へと走らせて、清人は意気揚々としていた。いよいよ婚姻が成立するからだ。

「あの・・・。あの紙袋は?」
「あれは今夜のお祝い用に、うちの料理人に用意してもらったんだ」
「お祝い用・・・・」
「結婚するんだから、お祝いしないとだろ?ケーキもある。酒も誰も飲まないみたいだから大量にもらってきた」

清人は赤信号で止まると、花憐の手を取り、手の甲にキスした。

「結婚なんて、喜んでするものだとは思えなかったけど、俺は今とても幸せだよ。
結婚することがこんなに楽しみだとは思わなかったな」

清人は無邪気に言った。まだ不安を抱えている自分と比べて、なんて対照的なのだろう。
ここまであからさまに資金目的の結婚を喜ばれると、あれこれと心配している自分が
馬鹿らしくなってくる。

花憐はクスっと笑って、上機嫌な清人の横顔を見た。
清人も花憐を見つめて、微笑んだ。
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