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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い

清人は黙って花憐を見下ろしていた。顔が影になり、表情が読み取れない。
怒っているのか呆れているのか、花憐にはわからなかった。
「お帰りなさい・・・・」
花憐はそういうと、よろよろと立ち上がった。
花憐の腕を清人は掴み、部屋へと入れる。時計を見ると、10時だった。
体が冷えてうまく腕が動かせない。
清人はショールを花憐の肩にかけた。
「遅くなって・・・・」
清人は悪かったと続けようとしたようだが、なぜかその先を言わず、黙って花憐を見つめた。
申し訳ないと感じているように見えたが、それが他の女性といた証拠のように思えて、花憐の胸はチクリと痛んだ。
「いえ・・・・。お疲れさまでした・・・・」
もうこんな時間であれば、食事も済ませてきたに違いない。
花憐は食器を片付けようとした。
「何も食べてないんだ。遅くなったけど、今からお祝いをしよう」
清人は花憐の手を取って、冷えた手をさすった。
何も食べてないというのは嘘かもしれない。自分に気を使ってくれている気がした。
自分を待たせたことを悪く思って欲しくない・・・。そう思った花憐は、無理に微笑み、
食事の支度を始めた。
清人は、赤と紺のチェックのネルシャツ、ジーパンに着替え、キッチンに戻るとワインを選び、栓を抜いた。
食事の支度が終わったところで、清人は花憐に花束を渡した。
ピンクと白のバラだった。
「これは・・・・」
「奥さんへの、初めてのプレゼント」
花憐は驚いて清人を見上げた。
清人の瞳はいつになく優しく、そこには本当の愛情が存在しているかのように錯覚するほどだった。
花憐は思わず涙ぐみ、慌ててうつむいた。
「ありがとうございます・・・・」
花束をプレゼントされるなんて、生まれて初めてだった。寂しさを感じていた花憐にとって、清人からのプレゼントはこの上なく嬉しいものだった。
怒っているのか呆れているのか、花憐にはわからなかった。
「お帰りなさい・・・・」
花憐はそういうと、よろよろと立ち上がった。
花憐の腕を清人は掴み、部屋へと入れる。時計を見ると、10時だった。
体が冷えてうまく腕が動かせない。
清人はショールを花憐の肩にかけた。
「遅くなって・・・・」
清人は悪かったと続けようとしたようだが、なぜかその先を言わず、黙って花憐を見つめた。
申し訳ないと感じているように見えたが、それが他の女性といた証拠のように思えて、花憐の胸はチクリと痛んだ。
「いえ・・・・。お疲れさまでした・・・・」
もうこんな時間であれば、食事も済ませてきたに違いない。
花憐は食器を片付けようとした。
「何も食べてないんだ。遅くなったけど、今からお祝いをしよう」
清人は花憐の手を取って、冷えた手をさすった。
何も食べてないというのは嘘かもしれない。自分に気を使ってくれている気がした。
自分を待たせたことを悪く思って欲しくない・・・。そう思った花憐は、無理に微笑み、
食事の支度を始めた。
清人は、赤と紺のチェックのネルシャツ、ジーパンに着替え、キッチンに戻るとワインを選び、栓を抜いた。
食事の支度が終わったところで、清人は花憐に花束を渡した。
ピンクと白のバラだった。
「これは・・・・」
「奥さんへの、初めてのプレゼント」
花憐は驚いて清人を見上げた。
清人の瞳はいつになく優しく、そこには本当の愛情が存在しているかのように錯覚するほどだった。
花憐は思わず涙ぐみ、慌ててうつむいた。
「ありがとうございます・・・・」
花束をプレゼントされるなんて、生まれて初めてだった。寂しさを感じていた花憐にとって、清人からのプレゼントはこの上なく嬉しいものだった。

