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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
朝方にようやく眠りについた花憐は、それでも8時には目を覚まして着替え、一階へと降りた。
清人はスーツに着替え、新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた。

「おはよう」
「おはようございます・・・・」

清人は花憐にコーヒーを注いでくれた。
花憐の青白い顔を見て顔をしかめる。

「顔色が悪いな」
「なかなか眠れなくて・・・・」

言ってしまってから後悔した。案の定清人がニヤニヤと笑っている。

「思い出して?それとも続きがきになって?」
「そんなんじゃありません」

花憐は視線を反らして、テーブルに座り、コーヒーを飲んだ。

清人は相変わらずからかうような笑みを浮かべたまま、新聞をたたみ、財布から一枚のカードを取り出した。

「これは自由に使っていい。食料なんかの買い物は近くにスーパーマーケットがあるから
そこでしたらいい。
他にも買いたいものがあれば何でも。現金も少し置いておこう」

そう言って一万円札を数枚テーブルに置いた。

「俺はしばらく店の改装で忙しくなる。友達に会いに行ってもいいし、旅行にだって行って
もらってもかまわない」

そう言われたが、花憐の当面の予定は榊に会うことぐらいしかなかった。

「夜は遅くなるだろうから、先に休んで。戸締りはちゃんとしておくように。
さすがにまだ君の’家族’はこの場所を見つけてはいないだろうけど、用心に越した事はない」

清人はそう言うと鞄を持って玄関へと向かった。
花憐も立ち上がり、清人を見送る。

「・・・・行ってらっしゃい」

少し照れくさくなりながら、花憐は清人を見上げて言った。
清人は花憐の手を取り、指にキスすると、行ってきますと言って出て行った。

清人は、宣言した通り毎晩帰りが遅かった。
花憐はいつも起きて待っていようと思うのだが、日付が変わる前に帰ることはなく、
朝方帰って昼に出ていくという生活だった。
それでも毎日帰ってくることに花憐は安心していた。

ゆっくり会話する時間はなかったが、清人は会うたびに花憐を叱った。

「君が家中掃除するから、ハウスキーパーが仕事がないといって困っている」
「でも、やることがないので・・・・」

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