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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
「あら、ティッシュケース?手作りなの?上手~かわいい~!ありがとう!」
「すみません、こんなもので・・・・」
花憐と榊は南青山のカフェにいた。榊の友人が店長を勤めている店だった。
電車で行こうかと思ったが、どこかで貴子たちに見つかったらと思うと怖くなり、
もったいないと思ったがタクシーで清人の家から店へ直接向かった。
榊は花憐の手作りのティッシュケースにさっそくポケットティッシュを入れてくれた。
「で、どーお?新婚生活♪」
新婚と言われて思わず照れてしまう。榊が思っているような甘い新婚生活ではなかったが、
花憐は今の生活に落ち着きを感じていた。
「普通だと思います」
「普通ねえ・・・・。相手があの大河清人氏でしょ?普通なものかしら」
榊はニヤニヤと笑いながら探るように上目で花憐を見た。
「私はあの人の評判は良く知らないので・・・。でも、毎日忙しそうに働いてます。
一生懸命なんだと思います」
花憐は戸惑いながら、真剣に答えた。
「仕事なんて、外にいる間何してるかわからないもんよ。あ、彼に限らず、世の中の男みんなね」
確かにそれは花憐も思っていることではあった。清人は仕事の合間にいくらでも
女性と会う機会はあるのだ。
しかし、それには意識して目を向けないようにしてきた。
「それにしても、なんで彼だったの?他にもいい人いたと思うけど・・・・」
腑に落ちないといった様子の榊に、花憐は少しだけ事情を話した。
両親が他界し、父の内縁の妻だった人と暮らしてきたこと。
24歳までに結婚すれば財産が入ること。
「・・・・なるほどねぇ。それは彼にとってはいい話だったでしょうね」
榊は真面目な顔をして言った。
「あの、私、清人さんがそんなにお金に困っているようには見えないのですけど・・・・」
花憐はずっと気になっていたことを榊に聞いてみた。
榊はそんなことないはずよ、と言って少し声をひそめた。
「すみません、こんなもので・・・・」
花憐と榊は南青山のカフェにいた。榊の友人が店長を勤めている店だった。
電車で行こうかと思ったが、どこかで貴子たちに見つかったらと思うと怖くなり、
もったいないと思ったがタクシーで清人の家から店へ直接向かった。
榊は花憐の手作りのティッシュケースにさっそくポケットティッシュを入れてくれた。
「で、どーお?新婚生活♪」
新婚と言われて思わず照れてしまう。榊が思っているような甘い新婚生活ではなかったが、
花憐は今の生活に落ち着きを感じていた。
「普通だと思います」
「普通ねえ・・・・。相手があの大河清人氏でしょ?普通なものかしら」
榊はニヤニヤと笑いながら探るように上目で花憐を見た。
「私はあの人の評判は良く知らないので・・・。でも、毎日忙しそうに働いてます。
一生懸命なんだと思います」
花憐は戸惑いながら、真剣に答えた。
「仕事なんて、外にいる間何してるかわからないもんよ。あ、彼に限らず、世の中の男みんなね」
確かにそれは花憐も思っていることではあった。清人は仕事の合間にいくらでも
女性と会う機会はあるのだ。
しかし、それには意識して目を向けないようにしてきた。
「それにしても、なんで彼だったの?他にもいい人いたと思うけど・・・・」
腑に落ちないといった様子の榊に、花憐は少しだけ事情を話した。
両親が他界し、父の内縁の妻だった人と暮らしてきたこと。
24歳までに結婚すれば財産が入ること。
「・・・・なるほどねぇ。それは彼にとってはいい話だったでしょうね」
榊は真面目な顔をして言った。
「あの、私、清人さんがそんなにお金に困っているようには見えないのですけど・・・・」
花憐はずっと気になっていたことを榊に聞いてみた。
榊はそんなことないはずよ、と言って少し声をひそめた。