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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
榊は哀れんだ表情を浮かべていたが、すぐに笑顔になって花憐の眉毛をさっと撫でた。

「メイク、自分でやってるの?」
「はい。あの、榊さんに教えてもらった通りにしてみたんですけど・・・・。
清人さんも教えてくれました。・・・・おかしいですか?」
「おかしくないわよ。でも、もうちょっとアイメイクをしっかりやった方が・・・・」

そう言うと、化粧ポーチを取り出して、花憐にメイクの方法をもう一度教えてくれた。

お茶が終わると、二人でショッピングをしにいった。
メイク道具や洋服を見立ててくれ、香水をプレゼントしてくれた。
何種類かのバラをブレンドして作られたものだった。濃厚で甘い香りがふわりと漂う。

「うふふ・・・・。これで彼もあなたをぎゅっと抱きしめたくなっちゃうわよ」

花憐は顔を赤くして、耳たぶから香ってくる香りを吸い込んだ。

「・・・・どうなの?あっちの方は??」
「?」

あっちの方とはどういうことだろうと首をかしげたが、榊の意味ありげな笑みを見て、
’夫婦の性生活’について尋ねていることに気がつき、更に顔を赤くした。

「あれだけ浮名を流してるんだもの、そりゃ、百戦錬磨よね~」
「・・・・あの、まだ・・・・まだなんです・・・・」

花憐の返事に榊は心底驚いたようだった。

「まだ!?まだって・・・・。まだやってないってこと??」

露骨な言い方に、花憐は戸惑いながらもハイ・・・と頷いた。

「うっそー・・・・。あなたみたいな綺麗な子と一つ屋根の下にいて、あの男が手を
出さないっていうの?信じられなーい。噂じゃ1日に5回も6回もするって聞いたけど・・・」

花憐は火傷のことを榊に話そうと思ったが、やはりやめた。話しても解決には向かわないと
思ったからだ。
この体がもとに戻るわけではない。
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