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アディクション
第1章 一目惚れ

ミュージカル好きな友人に誘われて、最近メディアでも良く取り上げられている舞台を観劇することになったのは数ヶ月前のこと。
幕が上がる前から評判が高いステージで、美容院で手にとった雑誌でそのステージの名前を目にしていた。
「行く?」
数年、全く舞台を観ていなかった私に声をかけてくれたのは学生時代からの友人である真奈美だった。
「行こう、かな」
私は自然とそんな言葉を口にしていた。
真奈美は、目をキラっと輝かせ、けども私を刺激しないように(殻に戻さないように)冷静に言った。
「OK。じゃチケット取ってみるわ」
きっと、他のステージだったら私は断っていたと思う。
けど、その舞台の演出家は私でも知っているくらいシェイクスピア好きだったし、「古典」をどう現代劇に昇華させるかに苦心をしていると知っていたので興味を持ったのだ。
私は大学時代、イギリス文学を専攻し、シェイクスピアを研究していた。卒論で扱った作品は『真夏の夜の夢』。シェイクスピアは私の人生に切っても切れない作品だったし、テーマだった。
幕が上がる前から評判が高いステージで、美容院で手にとった雑誌でそのステージの名前を目にしていた。
「行く?」
数年、全く舞台を観ていなかった私に声をかけてくれたのは学生時代からの友人である真奈美だった。
「行こう、かな」
私は自然とそんな言葉を口にしていた。
真奈美は、目をキラっと輝かせ、けども私を刺激しないように(殻に戻さないように)冷静に言った。
「OK。じゃチケット取ってみるわ」
きっと、他のステージだったら私は断っていたと思う。
けど、その舞台の演出家は私でも知っているくらいシェイクスピア好きだったし、「古典」をどう現代劇に昇華させるかに苦心をしていると知っていたので興味を持ったのだ。
私は大学時代、イギリス文学を専攻し、シェイクスピアを研究していた。卒論で扱った作品は『真夏の夜の夢』。シェイクスピアは私の人生に切っても切れない作品だったし、テーマだった。

