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アディクション
第1章 一目惚れ

目の前に現れた重厚な木の扉を開けて、真奈美が中に入っていく。中から光と音が漏れ出る。
「こんばんは」
「あらー真奈美ちゃん、お久しぶり。いらっしゃい」
ショートカットの似合う女性スタッフがにこにこしながら扉を押さえてくれた。そして後ろに立つ私の存在に気づく。
「あら? お友だち?」
「そう、佳奈。今日一緒に観劇してきて」
「そうなのね。いらっしゃい。どうぞどうぞ」
「お邪魔します」
中は落ち着いた雰囲気のダイニングバーだった。バースタンドに並んだお酒のボトルの数に目を見張った。
「わぁ素敵」
思わず声が出てしまった。
「ほら、佳奈。こっち、カウンターはダメよ、あなた飲み過ぎるから。ほら、こっちテーブル席」
真奈美に手を引っ張られ、席に着くと先ほどのスタッフの彼女がおしぼりを持って来てくれた。
「あら? 佳奈さんはお酒好きなの? 何でも言ってちょうだいね」
「ちょっと、ダメだって、青井さん。佳奈は飲むと人変わるから」
「変わらないって! ただ飲むと良い気分になっちゃうの」
「それが人が変わるって言うんでしょ。さぁ。佳奈、何にする? 最初は泡?」
「そうだね。シュワってしたいね。スパークリングの白が良いかな」
「そうしよう。食事は後で決めるとして、じゃとりあえずスパークリングの白を2つで」
青井さんと呼ばれた彼女は、笑顔でバースタンドの方に向かった。
「素敵なお店だね。良く来るの?」
真奈美に尋ねると、
「たまにかな。ほら、このエリアって観劇する以外なかなか来ないじゃない? だから観劇したら寄るって感じかな」
「そうなんだぁ。こういうお店を知ってるの素敵だなぁ」
「佳奈もまた観劇したら、ぜひ寄ってあげて。青井さんも喜ぶわ」
「ありがとう」
良いタイミングで、青井さんがスパークリングワインを持ってきてくれた。そして真奈美がいつもオーダーしているというオリーブとチーズの盛り合わせも。
「青井さん、ありがとう。じゃ、佳奈、乾杯しよ」
「はい。真奈美、今日は誘ってくれてほんとにありがとう。楽しかった」
「良かった、良かった。じゃ、乾杯」
「こんばんは」
「あらー真奈美ちゃん、お久しぶり。いらっしゃい」
ショートカットの似合う女性スタッフがにこにこしながら扉を押さえてくれた。そして後ろに立つ私の存在に気づく。
「あら? お友だち?」
「そう、佳奈。今日一緒に観劇してきて」
「そうなのね。いらっしゃい。どうぞどうぞ」
「お邪魔します」
中は落ち着いた雰囲気のダイニングバーだった。バースタンドに並んだお酒のボトルの数に目を見張った。
「わぁ素敵」
思わず声が出てしまった。
「ほら、佳奈。こっち、カウンターはダメよ、あなた飲み過ぎるから。ほら、こっちテーブル席」
真奈美に手を引っ張られ、席に着くと先ほどのスタッフの彼女がおしぼりを持って来てくれた。
「あら? 佳奈さんはお酒好きなの? 何でも言ってちょうだいね」
「ちょっと、ダメだって、青井さん。佳奈は飲むと人変わるから」
「変わらないって! ただ飲むと良い気分になっちゃうの」
「それが人が変わるって言うんでしょ。さぁ。佳奈、何にする? 最初は泡?」
「そうだね。シュワってしたいね。スパークリングの白が良いかな」
「そうしよう。食事は後で決めるとして、じゃとりあえずスパークリングの白を2つで」
青井さんと呼ばれた彼女は、笑顔でバースタンドの方に向かった。
「素敵なお店だね。良く来るの?」
真奈美に尋ねると、
「たまにかな。ほら、このエリアって観劇する以外なかなか来ないじゃない? だから観劇したら寄るって感じかな」
「そうなんだぁ。こういうお店を知ってるの素敵だなぁ」
「佳奈もまた観劇したら、ぜひ寄ってあげて。青井さんも喜ぶわ」
「ありがとう」
良いタイミングで、青井さんがスパークリングワインを持ってきてくれた。そして真奈美がいつもオーダーしているというオリーブとチーズの盛り合わせも。
「青井さん、ありがとう。じゃ、佳奈、乾杯しよ」
「はい。真奈美、今日は誘ってくれてほんとにありがとう。楽しかった」
「良かった、良かった。じゃ、乾杯」

