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アルルの夜に始まる恋
第2章 アルルの夜
「すごい・・・なんでわかるの?」
「僕もそうだからさ。フランスに来ると、イギリスでの堅苦しい生活から解放される気がするから」
そう・・・と小夜は微笑んだ。
「なんだか、あなたに話したら、すごくすっきりしたわ。父のこと、誰にも話したことなかったの。前の彼にも友達にも」
「お役に立てたなら光栄だよ」
小夜はじっとロイの瞳を見つめた。
ワインのせいか、その黒い瞳は潤んでオニキスのように美しかった。
「あなた・・・本当に素敵な人ね。優しくて・・・気がきいて・・・。私、ずっとついてない人生だと思ってきたけど、あなたみたいな人に出会えてなんて幸運なのかしらって、今は思うわ」
小夜のロイへの感謝の気持ちを露にした柔らかい表情に、ロイは胸を締め付けられた。
それは魔法をかけられたように、突然ロイに訪れた感情だった。
(これは一体・・・)
ロイは困惑した。目の前の小夜は暖かい光を放っているようにすら見えた。
それはおそらく、彼女自身が生まれ変わった瞬間だった。
大人しく不幸を受け入れてきた自分から、それらを捨て、未来に希望を見出すことができる強い女性へと変身したのだった。
ロイの心の中でゆらりと揺れるものがあった。
今までの恋のような激しい感情に襲われるのとは違う、小さな波が徐々に押し寄せるように、それはロイを包み込んだ。
小夜はワインを飲み干して、時計を見てハッとした。
「大変!もうこんな時間!・・・ごめんなさい、こんな遅くまで・・・。話を聞いてくれてありがとう」
小夜が帰ろうとしたので、ロイは咄嗟に小夜の腕を掴んだ。
「待って・・・!」
小夜は驚いてロイを見た。
ロイも自分でなぜ引き止めたのかわからず、うろたえた。
「いや・・・、もう少し・・・もう少し飲もうよ。ほら、ワインもまだ残ってる」
「・・・そう。そうね。私も・・・本当言うと、もう少し飲みたいの」
小夜はワインのボトルを見て、恥ずかしそうに笑った。
ロイはホッとして小夜の腕を離した。
そして小夜を見つめて心の中で呟いた。
いっそのことベッドにワインを溢そうか・・・?
「僕もそうだからさ。フランスに来ると、イギリスでの堅苦しい生活から解放される気がするから」
そう・・・と小夜は微笑んだ。
「なんだか、あなたに話したら、すごくすっきりしたわ。父のこと、誰にも話したことなかったの。前の彼にも友達にも」
「お役に立てたなら光栄だよ」
小夜はじっとロイの瞳を見つめた。
ワインのせいか、その黒い瞳は潤んでオニキスのように美しかった。
「あなた・・・本当に素敵な人ね。優しくて・・・気がきいて・・・。私、ずっとついてない人生だと思ってきたけど、あなたみたいな人に出会えてなんて幸運なのかしらって、今は思うわ」
小夜のロイへの感謝の気持ちを露にした柔らかい表情に、ロイは胸を締め付けられた。
それは魔法をかけられたように、突然ロイに訪れた感情だった。
(これは一体・・・)
ロイは困惑した。目の前の小夜は暖かい光を放っているようにすら見えた。
それはおそらく、彼女自身が生まれ変わった瞬間だった。
大人しく不幸を受け入れてきた自分から、それらを捨て、未来に希望を見出すことができる強い女性へと変身したのだった。
ロイの心の中でゆらりと揺れるものがあった。
今までの恋のような激しい感情に襲われるのとは違う、小さな波が徐々に押し寄せるように、それはロイを包み込んだ。
小夜はワインを飲み干して、時計を見てハッとした。
「大変!もうこんな時間!・・・ごめんなさい、こんな遅くまで・・・。話を聞いてくれてありがとう」
小夜が帰ろうとしたので、ロイは咄嗟に小夜の腕を掴んだ。
「待って・・・!」
小夜は驚いてロイを見た。
ロイも自分でなぜ引き止めたのかわからず、うろたえた。
「いや・・・、もう少し・・・もう少し飲もうよ。ほら、ワインもまだ残ってる」
「・・・そう。そうね。私も・・・本当言うと、もう少し飲みたいの」
小夜はワインのボトルを見て、恥ずかしそうに笑った。
ロイはホッとして小夜の腕を離した。
そして小夜を見つめて心の中で呟いた。
いっそのことベッドにワインを溢そうか・・・?