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アルルの夜に始まる恋
第3章 パリの小さな夜
帰りは二人とも口数が少なかった。
寂しさもあったが、なんとなく窓の外の景色を眺めていたいという気持ちがそうさせていた。
行きは日も暮れて暗かったため景色を楽しむことができなかったのもあり、小夜はヨーロッパの田舎の風景をとても気に入り、ずっと窓の外を眺めていた。
夕暮れのアルルから、徐々に薄暗くなり、パリに着く頃には真っ暗になっていた。
パリについて一番最初に向かったのはホテルだ。
クリスマス前のこの時期、果たしてホテルがとれるかどうか。
ロイは小夜が嫌がるかもしれないと思ったが、父御用達の五つ星ホテルに向かった。
無理を言って部屋を用意してもらうつもりだった。
伝統あるホテルは絨毯から調度品まで全てが一流のもので装飾されている。
ロビーには大きなクリスマスツリーが飾られていた。
明日がクリスマス・イヴということもあってか、大勢の人が行き来している。
「ロイ・・・まさか、このホテルに泊まるの?」
小夜はオロオロしながら尋ねた。
ロイが小夜に説明しようとした時だった。
「ロイ!」
声が聞こえた方に振り向く。
「・・・リサ!」
「あなたがパリにいるなんて、知らなかったわ」
リサは真っ白なコートに、美しく長い金髪を垂らし茶色い縁のサングラスをかけていた。
ロイはこんな時に限って、なぜリサと出会うのだと心の中で毒づいた。
「・・・本当に。君こそ、パリにいるなんて・・・仕事かい?」
リサ・カーティスとロイはイギリスの大学で同級生だった。
親同士も仲が良かったため、昔から良く知っている女性だ。
父親の会社を引き継ぎ、今は多忙なはずだった。
「まさか!クリスマス休暇に決まってるでしょ。ずっと働きづめだったから、早めに休暇を取ったのよ・・・あら」
リサはようやくロイの後ろに隠れるように立っていた小夜に気づき、サングラスを取った。
そして、侮蔑したような表情で小夜の全身を眺めると、馬鹿にしたように笑った。
「そちらの方は?」
「彼女は・・・パリに来て友達になったんだ。小夜、僕の友達のリサだ」
ロイは儀礼的に紹介した。
小夜はペコリと頭を下げて、簡単な挨拶をした。
リサは、なるほどそういうことねといった風に頷いた。
寂しさもあったが、なんとなく窓の外の景色を眺めていたいという気持ちがそうさせていた。
行きは日も暮れて暗かったため景色を楽しむことができなかったのもあり、小夜はヨーロッパの田舎の風景をとても気に入り、ずっと窓の外を眺めていた。
夕暮れのアルルから、徐々に薄暗くなり、パリに着く頃には真っ暗になっていた。
パリについて一番最初に向かったのはホテルだ。
クリスマス前のこの時期、果たしてホテルがとれるかどうか。
ロイは小夜が嫌がるかもしれないと思ったが、父御用達の五つ星ホテルに向かった。
無理を言って部屋を用意してもらうつもりだった。
伝統あるホテルは絨毯から調度品まで全てが一流のもので装飾されている。
ロビーには大きなクリスマスツリーが飾られていた。
明日がクリスマス・イヴということもあってか、大勢の人が行き来している。
「ロイ・・・まさか、このホテルに泊まるの?」
小夜はオロオロしながら尋ねた。
ロイが小夜に説明しようとした時だった。
「ロイ!」
声が聞こえた方に振り向く。
「・・・リサ!」
「あなたがパリにいるなんて、知らなかったわ」
リサは真っ白なコートに、美しく長い金髪を垂らし茶色い縁のサングラスをかけていた。
ロイはこんな時に限って、なぜリサと出会うのだと心の中で毒づいた。
「・・・本当に。君こそ、パリにいるなんて・・・仕事かい?」
リサ・カーティスとロイはイギリスの大学で同級生だった。
親同士も仲が良かったため、昔から良く知っている女性だ。
父親の会社を引き継ぎ、今は多忙なはずだった。
「まさか!クリスマス休暇に決まってるでしょ。ずっと働きづめだったから、早めに休暇を取ったのよ・・・あら」
リサはようやくロイの後ろに隠れるように立っていた小夜に気づき、サングラスを取った。
そして、侮蔑したような表情で小夜の全身を眺めると、馬鹿にしたように笑った。
「そちらの方は?」
「彼女は・・・パリに来て友達になったんだ。小夜、僕の友達のリサだ」
ロイは儀礼的に紹介した。
小夜はペコリと頭を下げて、簡単な挨拶をした。
リサは、なるほどそういうことねといった風に頷いた。