この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
君の瞳に映る白い花【おまけ追加しました】
第2章 芽吹いた想い
「おう」
「・・・・おはよ」
「何をこそこそ話してた」

昌子の姿はばっちり見られていたようで、悠は汗をタオルで拭きながら睨み付けた。
この寒さの中、汗をかいていかにも暑そうだった。吐く息が真っ白だった。

「悠に・・・・良い人がいないか、探っておいてって」
「ふーん・・・・。で?私なんですって言った?」
「言うわけないでしょ」

悠は冬子がしているように金網によりかかって水を飲んだ。
いつもより二人の距離が近い気がして、冬子は落ち着かなかった。

うつむいて尋ねる。

「やっぱり、おばさんたちのこと考えて・・・・だよね」
「何が?」
「孫の顔見せてあげたいな、とか」
「まあ・・・・・それもないことないけど」

悠はもう一度ごくごくと水を飲んだ。冬子は靴で足元にある小石を軽く蹴った。

では何がきっかけなのだろう。悠が結婚などと言い出すなんて・・・・。

「お前さー、25年一緒にいて、一度もないわけ?俺の嫁さんになりたいなーって。これだけ良い男なんだから一度くらい思ってもいいだろ」
「ないよ。だって悠のまわりにはいつも女の子がいたじゃん。悠が好きかどうかに限らず。あれだけいろんな子が悠のお嫁さんになりたがってるの見て、自分も・・・なんて思わないよ」
「俺がお前以外の女と結婚して、お前はいやじゃないの?」

冬子は目線だけ悠に移した。悠は池の方に体の向きを変える。冬子もそれに続いて向きを変えた。

悠が誰かと結婚して、この家にお嫁さんと子供と暮らす・・・・。

そんな想像をしてみる。今までも改めて想像することはなかったが、いつかはそういう時がくるだろうとは思っていた。それが自分だと考えたことは本当に一度もない。

「いやかもしんないし・・・・。わからない」
「俺はそれがいやだと思ったよ。冬子がこことは別の場所で俺の知らない男と暮らして、たまにおばさんに会いに来て、その男がおばさんの手料理食べて、お義母さん美味しいです!とか言って・・・・・」

金網に乗せている冬子の手に悠が手を重ねた。

「!」

二人の冷たい指先が触れ合う。悠は暖かさを求めるようにぎゅ・・・と冬子の手を握った。

「それをしていいのは俺だけだ。そうだろ?」
/71ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ