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第3章 揺れる枝葉

冬子はこの女性もまた、悠と関係のある女性なのだとすぐに悟った。
女性は手に持っていた鍵をチャラチャラ鳴らして尋ねた。

「鍵、持ってるよ。入って待ってる？」

合鍵を持っていることに、冬子は少なからずショックを受けていた。

いえ・・・・と小さく首を横に振る。

「みかけない顔ね。あんた誰？」

女性は冬子の顔を覗き込んで言った。

「ただの・・・・幼馴染です・・・・・」
「へえ・・・・幼馴染とかいたんだ。悠に」

女性は驚きながら持っていた鍵を使ってドアを開けようとした時だった。

「誰～？」

ドアが開いて、眠たそうに大きなあくびをしながら、長身の女性が出てきた。
冬子は呆気にとられてその場に立ち尽くした。まさか二人目の女性が出てくるとは。

長身の女性はショートヘアで、下着姿に大きな毛糸のストールを身体に巻きつけていた。

「またあんた？」

若い女性が長身の女性を睨んだ。

「あ、どーもー」

長身の女性は眠たげな目で微笑んだ。

冬子の頭はやけに冷静で、この書類をこの人たちに託して良いものか考えあぐねた。
おそらく二人とも悠と深い中の女性なのだろうから、託しても問題ないのかもしれない。しかし、大事な書類だし、もし何か問題が起きたら・・・・。

まるでショックな出来事を見なかったことにするかのように冬子は悩んだ。

書類を置いてさっさと帰るか、しばらく悠を待つか・・・・・。

「あの、こちらの方は？」
「悠の幼馴染だって」

若い女は玄関にどかっと座り込み、ブーツを脱ぎながら言った。赤い下着が丸見えだった。

「幼馴染・・・・・」

冬子はどうも、と頭を下げた。今すぐにでも立ち去りたいのに、それが出来ない。

「あの・・・・あなたたちは・・・・・」

聞きたくもない質問をしてしまう。冬子は泣きたくなった。

「私たち？なんでしょうねぇ・・・・。悠ガールズ？」
「またはチーム悠？」

二人はあはは！と声を上げて笑った。