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君の瞳に映る白い花【おまけ追加しました】
第4章 君の瞳に映る白い花
「美代さん、ありがとうね。大事な大事な冬子ちゃん、うちの馬鹿息子が泣かせるようなことしたら市中引廻しするからね」
「いや、だから自分の息子を・・・・・・」
「よーし、今日はとことん飲むぞ!!」
悠の声を掻き消して忠が声を上げた。
昌子もとっておきの日本酒を出すと言ってキッチンから箱に入った酒を持ってきた。
いらないと言う悠に祝い酒だと無理やり二人で飲ませようとしている。
先ほどの緊張感は消え、一気に賑やかになった。
「勝機、逃さなかったのね」
美代が冬子の耳元でこっそり囁いた。
美代はあの時の会話を覚えていた。もしかしたら、あの時既に気がついていたのだろうか。
「勝機の押し付けがすごかったんだよ」
冬子は恥ずかしさを誤魔化すためにため息と共に言った。
「おめでとう」
美代は冬子の手に手を重ねると、優しく微笑んで言った。
まるでずっと前からこうなると予期していたかと思うほどに落ち着いていた。
母のあまりに清々しい表情を見て思わず尋ねる。
「反対するとか寂しくなるとか、ないの?」
「ぜーんぜん。これでやっと、胸張ってお父さんと天国で会えるかなぁって安心してる」
「・・・・・・・・」
父を亡くしてから、ずっとその想いを胸に冬子を育ててきた母の気持ちが心に染みて、冬子の目に涙が浮かんだ。
愛する人と結ばれ、子供が生まれ、これから二人で我が子の成長を見届けようという矢先にいなくなってしまったら・・・・・。
冬子は自分と悠に置き換えてみて初めてその悲しみを理解できた気がした。
「お母さん・・・・・・ありがとう・・・・・・」
「こちらこそありがとう」
「いや、だから自分の息子を・・・・・・」
「よーし、今日はとことん飲むぞ!!」
悠の声を掻き消して忠が声を上げた。
昌子もとっておきの日本酒を出すと言ってキッチンから箱に入った酒を持ってきた。
いらないと言う悠に祝い酒だと無理やり二人で飲ませようとしている。
先ほどの緊張感は消え、一気に賑やかになった。
「勝機、逃さなかったのね」
美代が冬子の耳元でこっそり囁いた。
美代はあの時の会話を覚えていた。もしかしたら、あの時既に気がついていたのだろうか。
「勝機の押し付けがすごかったんだよ」
冬子は恥ずかしさを誤魔化すためにため息と共に言った。
「おめでとう」
美代は冬子の手に手を重ねると、優しく微笑んで言った。
まるでずっと前からこうなると予期していたかと思うほどに落ち着いていた。
母のあまりに清々しい表情を見て思わず尋ねる。
「反対するとか寂しくなるとか、ないの?」
「ぜーんぜん。これでやっと、胸張ってお父さんと天国で会えるかなぁって安心してる」
「・・・・・・・・」
父を亡くしてから、ずっとその想いを胸に冬子を育ててきた母の気持ちが心に染みて、冬子の目に涙が浮かんだ。
愛する人と結ばれ、子供が生まれ、これから二人で我が子の成長を見届けようという矢先にいなくなってしまったら・・・・・。
冬子は自分と悠に置き換えてみて初めてその悲しみを理解できた気がした。
「お母さん・・・・・・ありがとう・・・・・・」
「こちらこそありがとう」