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月夜の迷子たち
第2章 再会
あれから二週間が経った。
紗奈は毎日のように瑠花という少女の腕の中で祐哉が息絶えるという夢を見ていた。
目覚めるたびに祐哉はあの後どうなっただろうとあれこれ考えるのだが、当然答えはわからない。
しかし、そんな状況でも紗奈は絵を描かなくてはならない。完成の期限は決まっているのだ。
あの時完成していなかったルーベンスは完成していた。
なんとか期日に間に合った。
「紗奈ー!」
いつもの調子で叔父の耕太が小屋に入ってきた。
いつもはトレーナーにジーンズといった格好だが、今日は珍しくスーツ姿だった。
「どう?間に合った?」
「なんとか」
耕太はルーベンスの絵を手に取ると、じっくりと眺めた後、慣れた手つきで仮縁を付けて丁寧に梱包を始めた。
「オーケー。悪かったな、急がせて」
「ううん。大丈夫」
梱包が終わると耕太は丁寧に車から紗奈に頼まれた日用品や食材を運び、絵を車に乗せる。
「他のやつはどう?特に問題なし?」
「うん」
耕太はうんうんと頷いて、じゃあ、これも追加でお願いと新規発注の絵についてのメモを渡した。
「まだ電話直してないのかよ。すぐに修理頼めよなー」
耕太は車に乗り込みながら言った。
紗奈はいつも通りの答えを口にする。
「連絡する人、耕太くんしかいないし」
「だから、その俺が言ってるの!急な依頼あった時とか困るんだよ。それにお前に何かあったとき、どうすんの?変なやつが来たり、具合悪くなったりとかさぁ」
紗奈は毎日のように瑠花という少女の腕の中で祐哉が息絶えるという夢を見ていた。
目覚めるたびに祐哉はあの後どうなっただろうとあれこれ考えるのだが、当然答えはわからない。
しかし、そんな状況でも紗奈は絵を描かなくてはならない。完成の期限は決まっているのだ。
あの時完成していなかったルーベンスは完成していた。
なんとか期日に間に合った。
「紗奈ー!」
いつもの調子で叔父の耕太が小屋に入ってきた。
いつもはトレーナーにジーンズといった格好だが、今日は珍しくスーツ姿だった。
「どう?間に合った?」
「なんとか」
耕太はルーベンスの絵を手に取ると、じっくりと眺めた後、慣れた手つきで仮縁を付けて丁寧に梱包を始めた。
「オーケー。悪かったな、急がせて」
「ううん。大丈夫」
梱包が終わると耕太は丁寧に車から紗奈に頼まれた日用品や食材を運び、絵を車に乗せる。
「他のやつはどう?特に問題なし?」
「うん」
耕太はうんうんと頷いて、じゃあ、これも追加でお願いと新規発注の絵についてのメモを渡した。
「まだ電話直してないのかよ。すぐに修理頼めよなー」
耕太は車に乗り込みながら言った。
紗奈はいつも通りの答えを口にする。
「連絡する人、耕太くんしかいないし」
「だから、その俺が言ってるの!急な依頼あった時とか困るんだよ。それにお前に何かあったとき、どうすんの?変なやつが来たり、具合悪くなったりとかさぁ」