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月夜の迷子たち
第13章 暗闇を照らす光
「俊にとって大事な人は、私にとっても大事な人。俊の幸せのためなら何時間でも歩くわ」
澄子が俊を見つめる目の温かさにレイアは驚きを隠せなかった。
澄子が偽りでなく、本当にそう思っていることがわかったからだ。
俊が嬉しそうに照れている。母に褒められて喜んでいる少年のようだった。
俊がこんな顔をするなんて、とレイアは澄子の凄さを実感した。
「ねえ、その指輪。見せてくれる?」
澄子がレイアが持っている箱を指さして言った。
レイアは箱を開けて指輪を取りだし、手渡そうとした。
「あ、いいの。見せてくれるだけで。へえ~。すごいアメジストね。ほら、スウェーデンで、あなたたちのお祖父様に話を聞きに行ったじゃない?もうそれはそれは凄い指輪だって誇らしげだったから、どんな指輪なのか気になってたの」
澄子は触れることなく、指輪をじっと見つめていた。
「先ほど、これはレイアが持っているべきだとおっしゃってましたよね。何故です?」
俊の問いかけに澄子は肩をすくめた。
「そんなの決まってるじゃない。このぐらいもらわないと割に合わないってことよ」
「割に合わない?」
「だって、養育費も慰謝料ももらってないんでしょう?このぐらいもらわなきゃ」
レイアたち三人は顔を見合わせた。あまりに現実的な言葉だったからだ。
レイアは苦笑した。
「それにね。アメジストは‘真実の愛の守護石’よ。恋人や家族、大切な人との愛を育むサポートをしてくれるといわれているわ。この指輪は、これからもあなた達を見守っていたいと思ってるんじゃないかしら」
(真実の愛の守護石・・・・・・・・)
そう言われて、レイアは少し考えた後、指輪を右手の薬指に嵌めた。
サイズもぴったりだった。
あまりにしっくりくるその感触に、レイアは自分がこの指輪を持っていていいのだと確信した。
「ほら。やっぱりレイアが持ってるべきだよ」
「うん・・・・・」
レイアは携帯を俊に渡した。
「ねえ、写真撮って」
「え?」
「お父さんに送ってあげたいの」
レイアは玲央と並ぶと、指輪が見える様に右手を上げた。
「お父さん、驚くよねぇ。指輪、燃えて無くなったと思ってるだろうから」
澄子が俊を見つめる目の温かさにレイアは驚きを隠せなかった。
澄子が偽りでなく、本当にそう思っていることがわかったからだ。
俊が嬉しそうに照れている。母に褒められて喜んでいる少年のようだった。
俊がこんな顔をするなんて、とレイアは澄子の凄さを実感した。
「ねえ、その指輪。見せてくれる?」
澄子がレイアが持っている箱を指さして言った。
レイアは箱を開けて指輪を取りだし、手渡そうとした。
「あ、いいの。見せてくれるだけで。へえ~。すごいアメジストね。ほら、スウェーデンで、あなたたちのお祖父様に話を聞きに行ったじゃない?もうそれはそれは凄い指輪だって誇らしげだったから、どんな指輪なのか気になってたの」
澄子は触れることなく、指輪をじっと見つめていた。
「先ほど、これはレイアが持っているべきだとおっしゃってましたよね。何故です?」
俊の問いかけに澄子は肩をすくめた。
「そんなの決まってるじゃない。このぐらいもらわないと割に合わないってことよ」
「割に合わない?」
「だって、養育費も慰謝料ももらってないんでしょう?このぐらいもらわなきゃ」
レイアたち三人は顔を見合わせた。あまりに現実的な言葉だったからだ。
レイアは苦笑した。
「それにね。アメジストは‘真実の愛の守護石’よ。恋人や家族、大切な人との愛を育むサポートをしてくれるといわれているわ。この指輪は、これからもあなた達を見守っていたいと思ってるんじゃないかしら」
(真実の愛の守護石・・・・・・・・)
そう言われて、レイアは少し考えた後、指輪を右手の薬指に嵌めた。
サイズもぴったりだった。
あまりにしっくりくるその感触に、レイアは自分がこの指輪を持っていていいのだと確信した。
「ほら。やっぱりレイアが持ってるべきだよ」
「うん・・・・・」
レイアは携帯を俊に渡した。
「ねえ、写真撮って」
「え?」
「お父さんに送ってあげたいの」
レイアは玲央と並ぶと、指輪が見える様に右手を上げた。
「お父さん、驚くよねぇ。指輪、燃えて無くなったと思ってるだろうから」