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月夜の迷子たち
第8章 物語の続き
写真撮影をするぞという征哉の掛け声で皆が祭壇の前に集まる。
祐哉と紗奈が中央に並び、その両サイドに皆が並んだ。
祐哉が紗奈の全身をゆっくりと視線を動かして眺める。
「いつまでも見ていたいよ」
祐哉は紗奈のウェディングドレス姿を見てから、ありとあらゆる言葉を使って褒めてくれる。
紗奈はクス・・・・・と笑って、少し意地悪な顔をして言った。
「おばあちゃんになっても同じこと言ってくれるのよね?」
「あたりまえじゃないか」
二人で見つめあって微笑んだ。
時を止めてしまいたいくらい幸せな瞬間だった。
「祐哉さん・・・・・・迷子だったのは、私なのよ」
「え?」
紗奈は祐哉の腕に手をかけた。
「私を見つけてくれて、ありがとう」
祐哉は愛しさを溢れさせた瞳でじっと紗奈を見つめると、言葉を発する代わりに紗奈を引き寄せてキスした。
その瞬間にカメラのフラッシュがたかれた。
大切な人たちに祝福される新郎新婦・・・・・。
あの時、夢の中で描いた風景がそこにあった。
これから先、大変なこともきっと沢山ある。
でも、それよりも大きな喜びがあると確信できた。
愛する人たちと一緒に生きていくのだという心強さと喜びに満ちた紗奈を、
青空にぼんやりと浮かんだ上弦の月が見下ろしていた。
紗奈編 おわり
祐哉と紗奈が中央に並び、その両サイドに皆が並んだ。
祐哉が紗奈の全身をゆっくりと視線を動かして眺める。
「いつまでも見ていたいよ」
祐哉は紗奈のウェディングドレス姿を見てから、ありとあらゆる言葉を使って褒めてくれる。
紗奈はクス・・・・・と笑って、少し意地悪な顔をして言った。
「おばあちゃんになっても同じこと言ってくれるのよね?」
「あたりまえじゃないか」
二人で見つめあって微笑んだ。
時を止めてしまいたいくらい幸せな瞬間だった。
「祐哉さん・・・・・・迷子だったのは、私なのよ」
「え?」
紗奈は祐哉の腕に手をかけた。
「私を見つけてくれて、ありがとう」
祐哉は愛しさを溢れさせた瞳でじっと紗奈を見つめると、言葉を発する代わりに紗奈を引き寄せてキスした。
その瞬間にカメラのフラッシュがたかれた。
大切な人たちに祝福される新郎新婦・・・・・。
あの時、夢の中で描いた風景がそこにあった。
これから先、大変なこともきっと沢山ある。
でも、それよりも大きな喜びがあると確信できた。
愛する人たちと一緒に生きていくのだという心強さと喜びに満ちた紗奈を、
青空にぼんやりと浮かんだ上弦の月が見下ろしていた。
紗奈編 おわり