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月夜の迷子たち
第8章 物語の続き
「あの・・・・・・。お・・・・・’お父さん’、とお呼びしてもいいのでしょうか・・・・・?」
紗奈はもじもじしながら尋ねた。
’お父さん’というフレーズをほとんど発することなく生きてきたから、口にするだけでくすぐったくなる。耕太のこともずっと名前で呼んできた。
祐哉と結婚したのだから難しいことを考えずに、素直に呼んでいいと思うのだが、万が一やめてくれと言われたら立ち直れない。
父親というものに対してどう振舞ったらいいのかわからないので、最初にちゃんと確認しておきたかった。
秀一が動きを止めて紗奈を凝視している。
紗奈はまた図々しいことを言ってしまったかと不安になった。
澄子が紗奈をぎゅっと抱きしめた。
「はあ~~っ!ちょっと!あなた!今の聞いた!?ね?可愛いでしょう!??」
秀一は紗奈を抱きしめる妻を見て、苦笑した。
「ああ・・・・・・そうだな」
秀一は、もちろんそう呼んでください、と丁寧に返事をした。
紗奈はホッとしてようやく自然な笑顔を見せた。
秀一と澄子を前にして、新たな家族が増えていくことを実感する。
澄子の言っていたように、これから時間をかけて家族になっていくのだ。
仲良く見つめあうこの二人も、沢山のことを乗り越えてきたのだ。
お互いを見る眼差しで、今でも深く愛し合っていることが伝わってくる。
『お二人を目標にします』というのは、もう少し時間が経ってから伝えようと紗奈は心の中でそっと想った。
紗奈はもじもじしながら尋ねた。
’お父さん’というフレーズをほとんど発することなく生きてきたから、口にするだけでくすぐったくなる。耕太のこともずっと名前で呼んできた。
祐哉と結婚したのだから難しいことを考えずに、素直に呼んでいいと思うのだが、万が一やめてくれと言われたら立ち直れない。
父親というものに対してどう振舞ったらいいのかわからないので、最初にちゃんと確認しておきたかった。
秀一が動きを止めて紗奈を凝視している。
紗奈はまた図々しいことを言ってしまったかと不安になった。
澄子が紗奈をぎゅっと抱きしめた。
「はあ~~っ!ちょっと!あなた!今の聞いた!?ね?可愛いでしょう!??」
秀一は紗奈を抱きしめる妻を見て、苦笑した。
「ああ・・・・・・そうだな」
秀一は、もちろんそう呼んでください、と丁寧に返事をした。
紗奈はホッとしてようやく自然な笑顔を見せた。
秀一と澄子を前にして、新たな家族が増えていくことを実感する。
澄子の言っていたように、これから時間をかけて家族になっていくのだ。
仲良く見つめあうこの二人も、沢山のことを乗り越えてきたのだ。
お互いを見る眼差しで、今でも深く愛し合っていることが伝わってくる。
『お二人を目標にします』というのは、もう少し時間が経ってから伝えようと紗奈は心の中でそっと想った。