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月夜の迷子たち
第11章 恋の種
次回の子ども食堂は巻き寿司と豚汁になった。
レイアが、野菜がたくさん取れるものがいいと提案して採用された。

食後の遊びはジェスチャーゲームをすることにした。
箱に動物や物の絵が描かれた紙を入れ、クジのように引いてもらい、そこに描かれたものを動作で表現してみんなに当ててもらうというゲームだった。

レイアは紗奈と一緒に絵を描いてゲームの用意をしたり、当日提供される食事について説明する看板を用意したり、子ども食堂開催のポスターを近所に貼らせてもらいに周ったり、一生懸命準備をしていた。

前日も中園の家に泊まりこんで野菜の下ごしらえを手伝って、手土産で渡すクッキーを焼いた。

楽しそうに目をキラキラ輝かせて準備するレイアに、みんなつられていつも以上にやる気を出して手伝った。

当日は朝から調理を開始し、食器やテーブルの用意、音響の調整など準備に追われた。

夕方になり、子ども達がぞろぞろと集まってくる。冬は外は寒いので、自宅の大広間を使って開催されるのだが、あっという間に大勢の子どもと保護者でいっぱいになった。

レイアは巻き寿司をトングで一人一人に配り、みんなに笑顔で対応した。
子どもたちは走り回るし、ちょっかいを出して邪魔をするし、大声で騒ぐしで、中園家の普段の優雅な雰囲気は消し飛んでいた。

次第にレイアの存在に大人たちも気がつき、母親たちはその美しさの秘訣を聞きたがり、父親たちは単純にその美貌を近くで拝みたいと話しかけ、レイアのまわりには人だかりができた。

レイアはうまく皆をかわして、食事やお茶の状況を把握して追加したり、小さい子の食事の手伝いやトイレへの誘導など駆け回っていた。

子ども達の笑顔が溢れ、おいしいおいしいと喜んで食べ、おかわりをする。
その光景を見ているだけで幸せだった。

みんなある程度食事が済み、落ち着いてきた頃、会場をぐるりと見渡すと一人の少女が部屋の隅で何も手にしないでぽつんと立っていた。

レイアは巻き寿司と豚汁を手に持って声をかけた。

「はいどうぞ」

7歳くらいの女の子はジロ・・・・・と鋭い目つきでレイアを睨んだ。

「もう食べた?」

女の子は答えないで俯いた。
レイアはしゃがんで女の子の顔を覗き込んだ。

「今日は一人で来たの?」

レイアの顔を間近で見て、女の子は少し驚いてあとずさった。

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