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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
「レイア・・・・・待て・・・・・・!んっ・・・・・!」
レイアは俊の部屋に入るなり、ネクタイを引っ張って強引に舌をねじ込んでキスした。
「・・・・・待てって!」
俊が肩を掴んで身体を離した。不貞腐れるレイアの顔を見て盛大なため息をつく。
俊は声を潜めてレイアを諭した。
「俺はこの家で仕事をしている身だ。皆の前でベタベタするわけにはいかない」
「そんなにベタベタしてるかな?これでも我慢してるんだけど・・・・・」
「君は距離が近すぎる。もう少し、今まで通りに出来ないか?」
「だって・・・・・俊が側にいると、『わーい♪』ってなっちゃって、ついくっつきたくなるんだもん」
俊は頭を抱えた。
付き合うようになってわかったことがある。
レイアは極度の寂しがりやで、恋人に対する距離が近い。初めての恋だと言っていたが、人前でも遠慮なく身体を寄せてくる。
「俺は祐哉の秘書で、この家の執事でもあって、雇い主の前では常に理性を保たなきゃいけない。頼むから仕事中は普通にして欲しい」
「ふつう・・・・・」
レイアはうーんと首を傾げて考えている。人前でイチャつくことに何の抵抗もないようだった。
「祐哉くんいないから、俊と遊べると思ったんだけどなぁ」
「祐哉がいなくても仕事はある」
祐哉は学生時代の友人の結婚式でロサンゼルスに行っている。
レイアは今日はバイトが無い日で、朝から中園の家に遊びに来ていた。遊びにというより、俊に会いにきていた。
俊は午前中は紗奈の絵が完成したからということで、乾燥の期間や保存の方法などの段取りをしていた。今は昼休みで、午後は会社に出勤しなくてはいけない。
「わかった・・・・・。じゃあ、今日はもう帰ろうかな」
レイアがこういう時どうするか、俊にはもうわかっていた。
おそらく母親の見舞いの後、バイト先の男たちと飲みに行くのだ。
さすがに俊と付き合いだしてからは朝まで飲むことはなくなったようだが、寂しさを感じている時のレイアが何するかわからないと、俊は父親の気分になって、慌ててレイアの手を掴んだ。
「夕食の時間までに帰ってくるから、一緒に食事をしよう。外でもいいし」
レイアの表情がとたんに明るくなる。
レイアは俊の部屋に入るなり、ネクタイを引っ張って強引に舌をねじ込んでキスした。
「・・・・・待てって!」
俊が肩を掴んで身体を離した。不貞腐れるレイアの顔を見て盛大なため息をつく。
俊は声を潜めてレイアを諭した。
「俺はこの家で仕事をしている身だ。皆の前でベタベタするわけにはいかない」
「そんなにベタベタしてるかな?これでも我慢してるんだけど・・・・・」
「君は距離が近すぎる。もう少し、今まで通りに出来ないか?」
「だって・・・・・俊が側にいると、『わーい♪』ってなっちゃって、ついくっつきたくなるんだもん」
俊は頭を抱えた。
付き合うようになってわかったことがある。
レイアは極度の寂しがりやで、恋人に対する距離が近い。初めての恋だと言っていたが、人前でも遠慮なく身体を寄せてくる。
「俺は祐哉の秘書で、この家の執事でもあって、雇い主の前では常に理性を保たなきゃいけない。頼むから仕事中は普通にして欲しい」
「ふつう・・・・・」
レイアはうーんと首を傾げて考えている。人前でイチャつくことに何の抵抗もないようだった。
「祐哉くんいないから、俊と遊べると思ったんだけどなぁ」
「祐哉がいなくても仕事はある」
祐哉は学生時代の友人の結婚式でロサンゼルスに行っている。
レイアは今日はバイトが無い日で、朝から中園の家に遊びに来ていた。遊びにというより、俊に会いにきていた。
俊は午前中は紗奈の絵が完成したからということで、乾燥の期間や保存の方法などの段取りをしていた。今は昼休みで、午後は会社に出勤しなくてはいけない。
「わかった・・・・・。じゃあ、今日はもう帰ろうかな」
レイアがこういう時どうするか、俊にはもうわかっていた。
おそらく母親の見舞いの後、バイト先の男たちと飲みに行くのだ。
さすがに俊と付き合いだしてからは朝まで飲むことはなくなったようだが、寂しさを感じている時のレイアが何するかわからないと、俊は父親の気分になって、慌ててレイアの手を掴んだ。
「夕食の時間までに帰ってくるから、一緒に食事をしよう。外でもいいし」
レイアの表情がとたんに明るくなる。