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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
「ほんと!?じゃあ、友子さんのところに行ってから、またここに来るね。部屋で待っててもいい?」
「ああ、いいよ」

俊はホッと胸を撫で下ろした。レイアが寂しさのあまり、他の男の元へいってしまったらと気が気じゃない。

「何時に出発するの?」

俊は時計に目を走らせる。

「あと・・・・・10分後」

レイアはにんまり笑うと俊の首に手をまわしてキスしようとした。
ゆるいウェーブのかかった長い髪がハラハラと落ちる。

「いや、だからもう出ないと・・・・・」
「あと10分あるんでしょう?」

そう言うと強引にキスしてきた。
レイアの愛らしい舌がヌル・・・・と入り込んできて、俊はそれ以上抵抗できなかった。
すっかりレイアのペースだった。

少しだけ、と割り切って甘いレイアの舌を堪能する。

チュ・・・・・チュ・・・・・・・

レイアのように表に出すことはないが、俊はすっかりレイアに夢中になっていた。
ずっと秘めていた想いが通じて、人生で一番幸せを感じているといっても過言ではない。
いつまでもレイアとこうしていたいし、もっと深く繋がりたいと思っている。

「ねえ・・・・・・俊は、えっちなことしたくないの?」

俊はギクリとして顔を離した。
レイアはこうして無垢な顔で、動揺することを言ってくる時がある。
天然で積極的だとこういうことになるのかと俊は毎回狼狽してしまうのだ。

「それは・・・・・したいよ。もちろん」
「じゃあ・・・・・」
「いや、今すぐしたいわけじゃない。君と付き合いはじめてまだ二週間しかたってない。そんなに急ぎたくないんだ・・・・・君のことを大切に想ってるから」

俊は正直な気持ちを伝えた。

「大切に・・・・・か」

レイアは呟くと嬉しそうに微笑んだ。

「そうだね。私も俊が大切だから、俊の困ることしないように頑張る」

あまりに可愛らしい笑顔に、俊は堪らなくなって今度は自分からレイアを引き寄せてキスした。

「ん・・・・・・」

先ほどより深く唇を合わせ、舌をねっとりと絡ませる。
レイアの舌先がつつ・・・・と官能的に俊の舌や唇を刺激して、俊の下半身が反応しそうになる。
レイアが無意識に胸を押し付けてくる。俊はチラ・・・・・と時計を見た。
もうあと5分で出なくてはいけない・・・・・。

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