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月夜の迷子たち
第13章 暗闇を照らす光
「真奈さんにお会いしたかったわ。きっと私たち、良いお友達になれたと思うのよね」

澄子はわずかに頭を下げた後、くるりと振り返って、レイアたちに向き合った。

「ちょっとちょっと~!!ほんっと信じられない!!こんな綺麗な子たちが存在するなんて!!」

突然、手を広げて感嘆の声を上げた。
それまでの神妙な雰囲気をぶち壊す、ハイテンションな様子の澄子にレイアと玲央は面食らった。

「この二人を一人占めしていいなんて、夢みたいだわ!!」
「え?」
「あの・・・・・・・・」

レイアと玲央は戸惑いながら視線を合わせた。
俊が小さく咳払いする。

「奥様、どういうことでしょう?」
「あら、征哉から聞いてないの?もう!あの子ったら人を使うだけ使って!」

澄子は空を睨みつけた。

「すみません。征哉さんから何も聞いてないです。教えてくれますか?」

玲央の問いかけに、澄子はにっこりほほ笑んだ。

「謝らないでいいのよ。あの馬鹿息子に怒ってるだけだから。あの子に頼まれてスウェーデン中歩き回ったのよ。あなたたちのお父様のこと調べるために」
「え!?」

レイアは驚きの声を上げて俊を見た。
俊も知らなかったようで驚いている。

「奥様がスウェーデンに行かれたんですか?」
「そうよ。余所にもれたらこまるような話だから、信頼出来る人間じゃないとダメだって言われて。まあ、でも探偵みたいで楽しかったわ!スウェーデンもじっくり回れたしね」
「征哉さんと手分けして調査を?」
「世界一美しい双子とデートができるっていう餌をチラつかされたら、誰でも飛び付くわよね?」

レイアたちはようやく事態を理解した。
征哉は、調査のお礼に母にレイアと玲央とデートできるという約束を勝手にしていたのだ。

レイアと玲央は征哉の適当さを思って苦笑した。

「ありがとうございます。会ったこともない僕たちのために・・・・・・」
「征哉くんの約束通り、どこでもお供します。お礼、させてください」
「良かった~。あなた達の写真見てね。それだけを楽しみにきたから嬉しいわ!でもね、正直言うと、あなたたちだけのためじゃないのよ。このもう一人の可愛い息子のためにね」

そう言って澄子は俊の背中を叩いた。
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