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月夜の迷子たち
第4章 月下の迷子の手
人に嫌われたり、拒絶されたりすることが極端に怖いのだ。
それならば、いっそ自分から離れていってしまえばいい。
そうすれば傷つくことはないのだから・・・・。
「ごめんなさい・・・・私、自分のことばかりで・・・・・。自分は傷つきたくないくせに・・・・あなたを傷つけた・・・・・」
祐哉は紗奈の頭にキスした。
「言っただろ?俺の方が何倍も強く君を想ってるって」
紗奈は頭を激しく振った。
「違う・・・・!私の場合は・・・・すごく歪んでるの。好きって言われても疑ってしまうし、試すようなことをしてしまう・・・・。そのくせ、相手の愛情は底なしに求めて・・・・。
私はあなたが思ってるような立派な人間じゃない。嫉妬深くて醜くて・・・・・本当の私を知ったらきっと嫌いになるに決まってる・・・・・!」
紗奈は耕太と香織と暮らしている時に、この葛藤と常に戦っていた。
二人も辛かったと思う。相手の愛情を確かめるために突き放してみたり、急に不安がって愛情を求めたり・・・・・。
それが二人から離れた一番の理由だった。
こんな自分が嫌だった。でも、自分でもどうしようもない。
自分の歪んだ想いは相手に負担をかけてしまう。
そんなことになるくらいならと、愛情を求めるという感情に蓋をして生きてきた。
祐哉は腕の力を緩めて、紗奈を解放すると、涙でぐちゃぐちゃになった顔をハンカチで優しく拭いた。
「いくらでも疑ってくれていい。その度に君が好きだと伝える。いくらでも試してくれていいし、いつでも求めてくれていい。君自身が嫌悪しているその感情を僕にぶつけてくれてかまわない」
紗奈は涙が残る潤んだ瞳で祐哉を見上げた。
「どうか、君が心から俺を信じることができるようになるまで、側にいるチャンスを与えてほしい。どんなに時間がかかろうとも、諦めない」
なんて温かくて優しい言葉だろう。
こんな自分の全てを受け入れてくれようとしている・・・・。
「君に会えない間、辛くて苦しくて胸が押し潰されそうだった。こんなに狂おしいほど誰かを好きになったことはない。俺だって君と一緒だ。君が思ってるような立派な人間じゃないよ。嫉妬深くて醜くて、本当の俺を知ったらきっと嫌いになるに決まってる」
先ほど紗奈が言った言葉をそのまま引用して祐哉が言った。
クス・・・・・・と笑みがこぼれる。
それならば、いっそ自分から離れていってしまえばいい。
そうすれば傷つくことはないのだから・・・・。
「ごめんなさい・・・・私、自分のことばかりで・・・・・。自分は傷つきたくないくせに・・・・あなたを傷つけた・・・・・」
祐哉は紗奈の頭にキスした。
「言っただろ?俺の方が何倍も強く君を想ってるって」
紗奈は頭を激しく振った。
「違う・・・・!私の場合は・・・・すごく歪んでるの。好きって言われても疑ってしまうし、試すようなことをしてしまう・・・・。そのくせ、相手の愛情は底なしに求めて・・・・。
私はあなたが思ってるような立派な人間じゃない。嫉妬深くて醜くて・・・・・本当の私を知ったらきっと嫌いになるに決まってる・・・・・!」
紗奈は耕太と香織と暮らしている時に、この葛藤と常に戦っていた。
二人も辛かったと思う。相手の愛情を確かめるために突き放してみたり、急に不安がって愛情を求めたり・・・・・。
それが二人から離れた一番の理由だった。
こんな自分が嫌だった。でも、自分でもどうしようもない。
自分の歪んだ想いは相手に負担をかけてしまう。
そんなことになるくらいならと、愛情を求めるという感情に蓋をして生きてきた。
祐哉は腕の力を緩めて、紗奈を解放すると、涙でぐちゃぐちゃになった顔をハンカチで優しく拭いた。
「いくらでも疑ってくれていい。その度に君が好きだと伝える。いくらでも試してくれていいし、いつでも求めてくれていい。君自身が嫌悪しているその感情を僕にぶつけてくれてかまわない」
紗奈は涙が残る潤んだ瞳で祐哉を見上げた。
「どうか、君が心から俺を信じることができるようになるまで、側にいるチャンスを与えてほしい。どんなに時間がかかろうとも、諦めない」
なんて温かくて優しい言葉だろう。
こんな自分の全てを受け入れてくれようとしている・・・・。
「君に会えない間、辛くて苦しくて胸が押し潰されそうだった。こんなに狂おしいほど誰かを好きになったことはない。俺だって君と一緒だ。君が思ってるような立派な人間じゃないよ。嫉妬深くて醜くて、本当の俺を知ったらきっと嫌いになるに決まってる」
先ほど紗奈が言った言葉をそのまま引用して祐哉が言った。
クス・・・・・・と笑みがこぼれる。