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月夜の迷子たち
第5章 満ちていく心
(これは・・・・駄目かもしれない・・・・・)
祐哉は流れ着いた浅瀬を這うようにしてすすみ、岩の上に倒れこんだ。
体中痛かった。ようやく交通事故の怪我が治ったというのに、再び怪我をしてしまった。わき腹と背中が痛いが、まだ我慢できる。問題は足だ。
右の足首が痛い。まともに歩けそうになかった。
泳ぎ疲れてどんなに起き上がろうとしても身体が重く動かせない。
溺れた子供を助けた後、自分も陸に上がろうとした瞬間足を取られてあっという間に流された。
川の流れに逆らわないようにと思いながら川岸に向かって斜めに泳ぐが、流れが速く何度も溺れかける。ようやくしがみつけそうな大きな岩にたどり着いたが、そこからまだ川岸まで数十メートルあった。
あまりに必死だったのですぐに気がつかなかったが、岩に身体がぶつかりあちこち怪我をしていた。
日が暮れる前になんとか川岸へ到達しなくては・・・・・。
祐哉はしばらく休んで体力を回復させてから意を決して再び川の中へと入った。
しかし、足が思うように動かない。
もうだめかと思った時、一瞬川の流れが緩やかになった。
そのまま必死に泳ぎ続けてようやく足の届く場所にたどり着いた。
そこから這うようにして川岸へと向かったのだった。
岩の上で意識が朦朧として目を瞑った。
(ここで寝たら・・・・・ダメだ・・・・・)
目を開けようとするがまぶたが上がらない。
遠くから声が聞こえる。
誰かを必死に呼ぶ声・・・・。
誰を呼んでいるのか・・・・・。
再び意識を引っ張られそうになった時、頬に熱いものが走った。
ハッと目を開ける。
目の前に透き通った茶色の瞳が見えた。
彼女は天使で、ここは天国か?と本気で思った。
祐哉は流れ着いた浅瀬を這うようにしてすすみ、岩の上に倒れこんだ。
体中痛かった。ようやく交通事故の怪我が治ったというのに、再び怪我をしてしまった。わき腹と背中が痛いが、まだ我慢できる。問題は足だ。
右の足首が痛い。まともに歩けそうになかった。
泳ぎ疲れてどんなに起き上がろうとしても身体が重く動かせない。
溺れた子供を助けた後、自分も陸に上がろうとした瞬間足を取られてあっという間に流された。
川の流れに逆らわないようにと思いながら川岸に向かって斜めに泳ぐが、流れが速く何度も溺れかける。ようやくしがみつけそうな大きな岩にたどり着いたが、そこからまだ川岸まで数十メートルあった。
あまりに必死だったのですぐに気がつかなかったが、岩に身体がぶつかりあちこち怪我をしていた。
日が暮れる前になんとか川岸へ到達しなくては・・・・・。
祐哉はしばらく休んで体力を回復させてから意を決して再び川の中へと入った。
しかし、足が思うように動かない。
もうだめかと思った時、一瞬川の流れが緩やかになった。
そのまま必死に泳ぎ続けてようやく足の届く場所にたどり着いた。
そこから這うようにして川岸へと向かったのだった。
岩の上で意識が朦朧として目を瞑った。
(ここで寝たら・・・・・ダメだ・・・・・)
目を開けようとするがまぶたが上がらない。
遠くから声が聞こえる。
誰かを必死に呼ぶ声・・・・。
誰を呼んでいるのか・・・・・。
再び意識を引っ張られそうになった時、頬に熱いものが走った。
ハッと目を開ける。
目の前に透き通った茶色の瞳が見えた。
彼女は天使で、ここは天国か?と本気で思った。