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月夜の迷子たち
第5章 満ちていく心
祐哉は紗奈の本当の気持ちが聞きたかった。
祐哉自身をどう想っているのか・・・・・・。
家のことや生い立ちのことは祐哉にとって重要ではない。
大事なのは紗奈の心だ。
月明かりの中の紗奈は、儚げで今にも消えてしまいそうで弱々しく見えた。
引き寄せられるように温室へと入る。
驚いて自分を見上げるその目は不安げで傷ついているように見える。
祐哉は『月の光』を弾き始めた。
紗奈への想いが溢れピアノの音に乗せて紗奈を包み込みたいという気持ちで弾いた。
言いたいことは沢山あるのに、なかなか口に出せない。
お互いそんな気持ちになって沈黙が続く。
月が綺麗という紗奈のつぶやきに、ふと紗奈なら’I love you’を何と訳すかという疑問が頭に浮かんだ。
絵が描けないという紗奈らしい言葉に思わず思わず微笑む。
彼女の生活はいつだって絵があったのだから無理もない。
果たして絵も描けなくなるほど自分のことを想ってくれる時が来るのだろうか・・・・・。
紗奈は自分から離れていこうとしている。自分を見上げる悲しそうな瞳が物語っていた。
そんなことはさせるものかと、祐哉の中の理性を抑えるリミッターが外れた。
無理やり引き寄せてキスした。
狂おしいこの想いを彼女に伝えたかった。
紗奈の反応は祐哉が予想していたものよりずっと根深く、彼女の苦しみや心の歪が祐哉の心に流れ込んできて息ができないような苦しさを感じる。
泣きじゃくりながら自分の弱さや嫌悪しているものをさらけ出している姿は祐哉の胸を強く打った。
彼女を苦しみの中から救ってやりたい。
祐哉は紗奈をめいいっぱい抱きしめた。
絶対離すものかと心に誓った。
涙の味のするキスは祐哉の心を切なさで満たし、愛しさを膨らませていく。
月明かりの下、心の奥底から湧き上がる幸せだという気持ちに、祐哉は身を委ねたのだった。
祐哉自身をどう想っているのか・・・・・・。
家のことや生い立ちのことは祐哉にとって重要ではない。
大事なのは紗奈の心だ。
月明かりの中の紗奈は、儚げで今にも消えてしまいそうで弱々しく見えた。
引き寄せられるように温室へと入る。
驚いて自分を見上げるその目は不安げで傷ついているように見える。
祐哉は『月の光』を弾き始めた。
紗奈への想いが溢れピアノの音に乗せて紗奈を包み込みたいという気持ちで弾いた。
言いたいことは沢山あるのに、なかなか口に出せない。
お互いそんな気持ちになって沈黙が続く。
月が綺麗という紗奈のつぶやきに、ふと紗奈なら’I love you’を何と訳すかという疑問が頭に浮かんだ。
絵が描けないという紗奈らしい言葉に思わず思わず微笑む。
彼女の生活はいつだって絵があったのだから無理もない。
果たして絵も描けなくなるほど自分のことを想ってくれる時が来るのだろうか・・・・・。
紗奈は自分から離れていこうとしている。自分を見上げる悲しそうな瞳が物語っていた。
そんなことはさせるものかと、祐哉の中の理性を抑えるリミッターが外れた。
無理やり引き寄せてキスした。
狂おしいこの想いを彼女に伝えたかった。
紗奈の反応は祐哉が予想していたものよりずっと根深く、彼女の苦しみや心の歪が祐哉の心に流れ込んできて息ができないような苦しさを感じる。
泣きじゃくりながら自分の弱さや嫌悪しているものをさらけ出している姿は祐哉の胸を強く打った。
彼女を苦しみの中から救ってやりたい。
祐哉は紗奈をめいいっぱい抱きしめた。
絶対離すものかと心に誓った。
涙の味のするキスは祐哉の心を切なさで満たし、愛しさを膨らませていく。
月明かりの下、心の奥底から湧き上がる幸せだという気持ちに、祐哉は身を委ねたのだった。