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私の欠けているところ
第7章 それでもやっと見つけた世界は
「時…」


「ん?」


「またしたくなったら
キスさせてくれる?」






「…うん…


私が
したい時も


してくれる?」





「いつでも」



それから俺は
もう一度
優しく時にキスをしてから
少し身体を離した


「ヤベー
マジ勃ちしそう(笑)」


「可愛いね…陸」


それから時は
俺を『陸』と
呼ぶようになった


「生で見たら
可愛いとか言えなくなるけどな」


「ほんとかな?(笑)」


「見せられないのが
残念だけどな(笑)」


「ねぇ」


「ん?」


「私のこと
『時』って呼ぶことにしたの?」


「気付いてた?」


「うん」


「ダメ?」


「ううん。
その方がいい。
時ちゃんって呼ばれるの
ほんとは
あんまり好きじゃないの」


「え?そうなの?」


「うん。
嫌なこと
思い出すから」


「わかった」


その時
時の胸は
少しはだけていて

俺の視線が
その胸元に動いたのが
分かったのか

時は
すっ…と
バスローブを直して
胸元を隠した


「残念」


「え?」


「時のおっぱい
見そこねた」


「興味無いくせに」


「あるよ」


「嘘ばっかり」


「嘘じゃないよ。


女の子抱けるって
言ったろ?」


「それって…」


「ん?」


「どういうこと?」


「内緒。

時もいっぱい
俺に秘密あるだろ?

だから
俺も秘密だ」


時にも秘密がある

そう言うと
時は口を閉ざし
俺がゲイなのかバイなのか
なんなのかを
聞くのをやめた


それは

自分の秘密を
話したくないという
意味なんだろう


俺は知りたかったんだけどな


なぜ
「時ちゃん」と
呼ばれるのが嫌なのか

なぜ

結婚しないのか


それなのに
なぜ

男と付き合い
セックスを求めるのか
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