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私の欠けているところ
第9章 だから俺はその地獄から抜け出したくて

アパートを
少し離れたところから見ると
電気がついてる様子はない

もう
ここまで来てるのに

俺は
時の部屋に近づくのを
躊躇っていた


具合が悪くて
倒れてるのかも…
だから俺からの電話に
出られないのかもしれない

なんて心配してたけど

時は
ちゃんと会社に連絡を
入れてるんだ

電話が使えないわけじゃない


それに
既読がつかなくても
俺からのLINEは
読んでるはずだ


心配してる

また会いたい

話しがしたい

俺の気持ちは変わらない

時が好きだ



とにかく
連絡くれ



そのLINEを
無視されてる俺が
アパートのドアを叩いても
いいんだろうか…


これ以上
嫌われたくない
と言う気持ちが
俺を弱気にさせていた


でも

このまま帰る気持ちにはなれなかった



だから
俺は

静かに
時の部屋に近づき


暗い
その部屋のドアに

そっと耳を澄ませたんだ
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