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私の欠けているところ
第11章 時を捕まえたときにはもう…
そうか…
俺はSiriなのか…
ふと
この数週間の出来事が
頭に浮かび
それを全部
否定されてるようで
俺はまた
泣きそうになった
今だけなのか
明日もそうなのか
それともこれは全部
お芝居なのか…
俺は
全く時の状態を
理解することができないでいた
ただ
間違いないのは
アイツと別れたことは
覚えてる
けど
俺はまだSiri程度の仲で
仕事は
普通にこなしてるってこと
これが
時の芝居でないとすると
時が単純に過去に戻ってるって
感じではない
アイツとのことは
数日前のことだし
仕事も問題ない
覚えてないのは
俺とのこと
自分の過去のことは
どうなんだろう…
「時」
「ん?」
「まだ寒いか?」
「…少し」
「ちょっと疲れたろ?
ベットに横になれよ」
「うん…そうだね。
私、ちょっと疲れてるみたい。
どうしてだろ…」
食べてないからだろ?
どうしちゃったんだよ
…時…
「なぁ」
「ん?」
「添い寝してもいい?」
「もう(笑)
どうしたの?」
「ちょっと疲れた」
そう言うと
時は急に心配そうな顔をして
俺のおでこに手を当てた
「いいよ。
私が添い寝してあげる」
「あ…うん」
さっき
俺に帰れと言ってた時は
もうここにはいなくて
俺に
優しくしてくれる
姉のような時がいる
アイツと別れたのなら
俺と全部一から始めて
このまま
俺と付き合ってくれればいいのに…
俺はその時
そんなことを考えながら
時と二人で
ベットに横になった