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私の欠けているところ
第11章 時を捕まえたときにはもう…

それからしばらく
時は俺に抱きしめられたまま
泣き続けていた

そして
涙が止まると
泣き疲れてしまったのか
時はそのまま眠ってしまい

次に目を覚ましたのは
もう
夕方だった



時が眠っている間
俺は買い出しに出かけた

とにかく
時に少しずつでも
何か食べさせたかったんだ

それから
自分の下着や
Tシャツも買っておいた

あんな時を
一人にさせられないからだ

どうせ明日と明後日は
仕事が休み
俺は
時が帰れと暴れない限り
何としてでも
時の部屋に泊まるつもりだった




「…梶谷くん…」


「あ、おはよ、時」


「どうしたの?」


「なんでもないよ」


「どうしているの?」


「鍵を無くしたって言ったろ?」


「え?」


「家の鍵、無くして
行くところないんだ」



「……そう…だっけ」



「寝ぼけてんのか」



「…うん…そうかも」



気だるそうで
ちょっと目が腫れてて
ぼさっとした髪が

なんだか
子どもみたいで


可愛いかった



「これ、飲めよ」


「スポーツドリンク?」


「いっぱい寝汗かいてるから」


「あ…そうだね…」


時は
ちょっと不思議そうな顔をしていた

鍵のことも
俺がここに居ることも
おかしいと
思ってるに違いなかった

けど時は
自分の記憶に自信がないのか
俺を問いただすこともなく
しばらく
ぼーっとしていた


「薬、飲まないとな」


「あ…うん」


「食欲あるか?
野菜の入った
雑炊作ってあるんだけど」


「……」


「シャワーでも浴びるか?
そしたら
ちょっとは
腹が減るかも」


「…うん、そうする。
汗かいて
気持ち悪いし」


「そうだな。
あ、大丈夫か?」


時は
ふらふらと立ち上がり
ゆっくりと
風呂場へ向かう


時は貧血だ

もしかしたら
風呂で
倒れるんじゃないかと
俺は心配になり

風呂場まで
時の後を追った



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