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私の欠けているところ
第12章 時は俺の事を忘れてしまってたんだ

シャワーを浴びて
買ってきたビールを飲んだ
起きると思っていた時は
全く起きず
プリンは冷蔵庫のまま
余程
調子が悪いのか
それとも
今まで寝不足だったのか…
俺は真夜中
眠る時の側に近づいて
子供のような素顔の頰に触れ
耳元に
顔を近づけて
目を閉じた
あぁ…時の香り
何故だか
ホッとする
その香りに誘われ
俺は
時に寄り添うように
身体をベットに沈めた
俺も寝不足だった
昨日は
ほとんど眠ってない
というより
時が突然居なくなってから
ずっと
熟睡できてない
目を閉じれば
すぐに
寝落ちしそうな中
時を抱きしめて
耳元に顔を埋めると
また
ミルクのような香りを
嗅ぎながら
呟いていた
「好きだよ…時…
…時…」
眠い…
もう落ちそうだ
でも…
時にもっと
触れたい
時に
キスしたい
時と…
時ともっと…
………
ダメだ…もう
起きてられない…
まさに
寝落ち寸前
そのとき
時の声が
聞こえたような気がした
「…陸……ごめんね…」

