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私の欠けているところ
第13章 正直、Siriってなんだよ…と、思う
『別れた』

じゃなく

『別れて下さい』

って言っただけなのか…

しかもLINEで。



そんなんじゃ
尚更
時をほっとけないじゃないか


「怒ってるかどうかは
わかんないけど
部屋に押しかけては
来てないな」


「……うん…
多分、お給料日前だから」


マジか…

ほんとに
金目的なんだな


なんか
俺が悲しくなるよ


「給料日、次の週末だよな」


「うん」


「時」


俺が
抱きしめる手を緩めて
名前を呼ぶと

時は「ん?」って
俺を見上げた


好きだよ、時


「俺んち来るか?」


ダメだ…


Siriでいると決めた
気持ちが揺らぎそうだ

俺は
また時をぎゅっと抱きしめ
時の髪に
唇を寄せた

時にはばれないように
髪にキスをして
唇を髪に押し付けて…


「Siriさん…」


「……ん?」


「それは…できない」




「…うん、わかった」



「……」



「けど
怖くなったり
寂しくなったら
いつでも来ていいから」



「…うん…ありがと」



「携帯…電源入れてみるか?

このままじゃ
俺、心配だし」



「……うん」


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