この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
私の欠けているところ
第13章 正直、Siriってなんだよ…と、思う

「じゃあそろそろ…帰るよ」

「うん」

わりと
平気そうな時に
ちょっとムカつく俺は
ちっちゃい男だな…

「明日、会社行くなよ?」

「あ…うん」

「約束」

「…わかった」

「じゃあ…」


俺は
玄関で靴を履いて

何度目かの
「じゃあ…」を
口にしていた

そしたら時は
俺の目の前で

「うん、またね」

って軽く言うんだ


またねって
本当だよな?

と、言いたくなる


心配だ…

心配で仕方ない


時が
変な気を起こさないか

アイツがやってきて
時の身体を
好きにしたり
しないだろうか…

時が嫌がっても
無理矢理そんなことしたら
また
幼い頃のこと
思い出して
おかしくなったりするんじゃ…


「時」


「なに?」


「やっぱり」


「うん」


「うちに来ないか?」


「え?」


「時のことが
心配で死にそう」


「…梶谷くん…」


そのとき
時は
俺のことを
梶谷くんと呼んだ


Siriでもなく
陸でもなく


梶谷だった


それは
歳下の頼りない男子

言われたような気がして


「俺、頼りになんない?」


そんなことを
言ってしまっていた


「そんなことないよ。
頼りにしてる。

ほんとに」


時の目は
真剣だった


「だから…心配しないで。

寂しくなったら
電話する。

悲しくなったらLINEする。


それから」



「それから?」





「私


死んだりしないから」




時には

俺の心の中が
透けて見えていたらしい






/237ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ