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私の欠けているところ
第14章 俺は時のなんなんだよって叫びたくなる

その翌日から
時は仕事に復帰し
たまに
LINEをくれるようになった


俺が酔って
愚痴ったからかもしれない


情けないけど
それが理由だったとしても
時からのLINEは
嬉しかった


時のLINEは
必ず
『Siriさん』
から始まり
会話の途中で
俺を呼ぶときは
俺を『梶谷くん』と呼んでいた


LINEの内容は
何を食べたかとか
体調はどうかとか
アイツが来てないか
というようなものばかり。


良いことなのか
残念なことなのか

寂しいとか
悲しい
なんて言葉は無く

俺は

やっぱりどこかで

寂しかった



Siriは
頼られる存在でもなんでもなく

単なる
話し相手だったからだ



そんな日々が続き

給料日の週末がやってきた



俺は
アイツが
会社の前まで車で来て
時から金を巻き上げた
あの日のことを
思い出していた


そう

時が
カーセックスをして
ストッキングを
破っていた
あの日のことだ


アイツなら
また同じこと
やりかねない

会社まで来なくても
家の前で
待ち伏せしてるかもしれない


だから俺は
時にLINEをしたんだ


『今日は家まで送るから
仕事終わったら連絡して』

と。


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