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私の欠けているところ
第14章 俺は時のなんなんだよって叫びたくなる


俺は
そんな時のすぐ隣を陣取り
時に歩幅を合わせた

絶対離れてやるもんか…と。

そして
二人一緒に
ビルから外に出ると
俺は辺りを見回した


「…よかった。
アイツ、来てないな」


「……」


その言葉にも
時は返事をせず
どんどんと歩いて駅に向かう

俺と他人のふりしてんだろう

時、案外頑固だな…


「なぁ時
アイツ、時の部屋の鍵持ってんのか?」


「………」


「なぁ、時」


「……」


「返事しろよ。
矢部さんだったら
普通に話すだろ?」


あぁ…だめだ

矢部さんのことが
俺、気になってるから
なんでか
矢部さんの名前ばっかり
出してしまう


「……」


それでも無言で
よそよそしい時と駅に着き
時の住む町へと向かう電車に乗った

何度か乗り換えて
人がまばらになり
俺が時の隣に
腰を下ろすと
時は固い口をやっと開いた


「…ごめん」


「…うん」


「梶谷くんが
色々言われるの嫌なの」


「時の気持ちもわかるけど
俺はそんなの
気にしてないから」


「…うん」


「むしろ
知られたいくらい」


「そんな…」


ムキになってたと思う


そのとき俺は

時と関係のあった奴
全員に
知られたいとさえ
思ってたから


「あ、もう着く」


「…うん」


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