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私の欠けているところ
第14章 俺は時のなんなんだよって叫びたくなる
鍵を受け取った俺は
時を置いて
階段を上がり
耳を澄ませながら
鞄を床に置いた
もし
アイツが居たら
とにかく時に
アパートから離れるように
伝えよう
そう考えながら
俺は
ゆっくりと鍵を開けて
少しだけドアをあけ
玄関に置いてある
靴を覗いた
無いな、よし。
そこにあるのは
時の靴だけで
男の靴は無かった
そして俺は靴を脱ぎ
部屋の中に入って
風呂とトイレのドアをあけ
誰も居ないことを確認した
とりあえず
来てはいないみたいだな
それからすぐに
外で待ってる時に声をかけ
時をすぐ部屋の中に入らせると
俺は
ドアに鍵をかけて
チェーンをかけた
「時、アイツが来る時間とか
パターンあるのか?」
「……」
時は
ほっとしたのか
それとも
これから来るかもしれない
アイツのことを考えてるのか
小さなテーブルの脇に腰を下ろして
黙ったまま
ぼーっとしていた