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私の欠けているところ
第15章 だから教えてくれよ、分からないこと、全部
すると
時はうつむき
そして
小さな声で囁いた
「陸を
不幸にしたくなかった
それが
全部」
「どういう…こと?」
「こんな…
こんなに
欠けてる私と関わってたら
陸は
不幸になるから…
だから
好きにならない
好きでも
好きって言わない
陸が今
私のことが好きでも
きっといつか
私を嫌いになる
こんな私も
私の家族も
絶対嫌いになる
だから
私のことは
忘れた方がいい」
そこまで言うと
時は
顔を隠すようにして
膝を抱え
身体を小さくした