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私の欠けているところ
第15章 だから教えてくれよ、分からないこと、全部
陸の
そういうところが
やっぱり
好きだと思った
『自分の事を棚に上げて…』
私の事を
陸はそう言ったけど
陸だってそう
自分の事より
私のことばかり
心配してる
こんなに年下なのに……
陸は
肘をついて
私に添い寝すると
ゆっくりと
私の肩や腕
指や髪を触りながら
尋問をはじめた
「俺
時が部屋から
居なくなったとき
すげー凹んだんだぜ?」
「……ごめん」
「なんで急に
帰っちゃったんだよ」
「陸が…」
「うん」
「私を好きだって
言ったから」
「あぁ…」
「もう
そばに居ちゃいけないと
思ったの
私は
ずっと
陸のことが
好きだったから…」
「俺が不幸になるから
距離をおいたってこと?」
「…うん」
「俺は
時にシカトされて
不幸だったけどな(苦笑)」
「だって…」
「だって?」
「もし
陸と私が付き合ったら
会社で嫌な思いするのは
陸だし
私…
普通じゃないから
ちょっと
変だから
前に付き合った人にも
言われたの
重いって」
「ひでーな」
「ひどくないよ
それがほんとなの
多分
その重さは
普通じゃない
それで
みんな苦しんでた
だからずっと
亮ちゃんみたいな人と
関係続けてたの
お互い
好きなんかじゃなくて
身体だけ
お金だけ
愛がなくて
寂しいなんて
絶対言わない関係
でも陸は違う
それに陸は
優しいから
私に重いなんて
言わないと思う
きっと一人で
苦しむと思う
だから
好きになっちゃいけないと
思ったの
陸を
苦しめたくなかった」
「そうか…」
陸は
そう言って
私の頬に触れると
優しくキスをして
私の耳を触った
「時が重いのは
きっと寂しいからなんじゃ
ないかな…」
「え?…」