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私の欠けているところ
第15章 だから教えてくれよ、分からないこと、全部


「陸…」


「ん?」


「少し前に
気付いてたよ」


「え?」


「陸と会わなくなって

私…すごく寂して」



「うん」


「……亮ちゃんと会ってた」



「…うん」



会ってたっていうか…
やってたんだよな



「でも
幸せじゃなかったの

もう

満たされる感覚なんて
無くなってて…


それはきっと
陸じゃないからだって

気が付いたの」





「よかった…

気が付いてくれて」



俺は
愛おしい時を
しっかりと抱きしめて
柔らかな髪に
キスをした



「だから別れたの

もう……
したくなかった」



「…うん」



「陸じゃないなら

もう
誰ともしなくていいと思った」



「そうか」



「…でも

陸に好きって
言えなくて
陸を苦しめたくなくて

満たされる方法が
無くなって

だから
仕事頑張って
満たされたかったのに
全然ごはん食べられなくて
仕事も行けなくて



Siriに
なって欲しいなんて
我儘言ったの…

ごめんなさい」



そうか…

それで
あんなに必死で
仕事に行こうとしたり
不安定になったり
してたんだな…



「時、辛かったな…

あやまらなくていいよ

俺は
時との繋がりを断ちたくなくて
Siriでもいいって
思ってたくらいなんだから


時…」



「なに?」




「全部話してくれて
ありがと」



「……」




「それでも俺は
時が好きだよ

俺の

恋人に
なってくれるよな?」



「私なんかでいいの?」



「時じゃなきゃ
嫌なんだ」



「陸…」



「キスしていい?」



「うん」



「裸にしていい?」




「…うん」

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