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私の欠けているところ
第6章 苦しくて…苦しくて…

断れない
というより
嫌われたくないという
気持ちで
本当に全てを
受け入れてたのかな…
けど
キスまでするのか?
もし俺が
身体を求めたら
どうするんだよ
アイツと
付き合ってんのに
えっ…
もしかして
アイツに
付き合ってくれって
頼まれて
付き合ってるんじゃ…
そんなんだったら
俺がアイツの代わりになるから
だからもう
「時ちゃん」
「なに?」
「彼氏のこと
ほんとに好き?」
「うん」
「アイツじゃなきゃダメなの?」
「私には
亮ちゃんが合ってるの」
「どういう意味だよ」
「……」
「ほんとは
アイツにしつこくされてるとか
別れたくないって言われてるとか
嫌われたくないって
理由だけで」
「梶谷くん…」
「…なに」
「私のこと
嫌ったりしないって
ほんと?」
「嫌いになんて
なれないよ」
「何でも話して…いいのかな…」
俺はその言葉に
生唾を飲み込んだ
一瞬
聞きたくないと
思うほど
怖いと思ったんだ
時は
何かを隠してる
時をまとう雰囲気には
何かあると
最初から思ってた
気になってた矢部さんの言葉。
会社内で
浮いた話もない。
そして
付き合ってるのは
あんな奴で独身
俺の鼓動は
また走り出していた
でも
聞きたいと思ったんだ
どうしても
「話してくれよ。
俺
時ちゃんのこと
何でも知りたい
知らないと
助けられないし
また
時ちゃんのされたくないこと
するかもしれないから」

