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私の欠けているところ
第7章 それでもやっと見つけた世界は

翌日
午後になってLINEが来て
出発は遅くなったけど
俺達は海に出かけたんだ
けど天気は
あいにくの曇り
肌寒さもあってか
海にも人はまばらだった
「あんまり人いないね」
「せっかく水着のギャル
見にきたのになー」
「え?」
「え?」
「水着のマッチョくんを
見にきたんじゃないの?」
あ、そーだった
俺、ゲイなんだ(笑)
「それもあるけど
ギャルもまぁ
それはそれでいいんだよ」
「ふーん」
「時ちゃんの水着見たかったなー」
「見ない方がいいよ」
「なんで」
「もうギャルじゃないから」
「まだまだ綺麗だよ」
「もう」
「ほんとに」
照れながら
耳を触る時が
今でも俺のツボだ
「あ…」
「ん?」
「もしかして…」
「なに?」
「梶谷くん
女の子とも付き合ったこと
あるの?」
わ、マジどうしよう
これ
どう答えた方が無難?
「なんで?」
「ん〜…
私と近くにいても
平気そうだし」
そ、そーだよな
そっちの方が自然なら…
「そ、そうそう
昔、あるよ。
付き合ったこと」
「やっぱり」
「ん?」
「ううん」
そこで
ピアスを触った時は
俺としたキスを
思い出したのかもしれない
人がまばらな海で二人
俺の隣で
風に髪をなびかせる時に
俺はまた
キスがしたくなっていた

