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第1章 抱かれる女
学校が終わった後、私は進学塾に通っている。
「判定どうだった?」
隣の席の涼(りょう)が話しかけてきた。
「B…合格圏内だった」
塾に入ってから、仲良くなった…というよりも、少し話すようになった男友達。
「涼くんは?」
涼に聞くと、何も言わず今配られたばかりの高校受験合格判定表を見せてくれた。
「凄い。全部Aじゃん。流石 涼くん」
私立と滑り止めを含めた5校全てがA判定。しかも県内でトップクラスの高校ばかり。
「ラッキーなだけだよ。この間まで、Bとか、Cだった」
時々、駅前の本屋で偶然会ったりもする。
「今日はコンビニ寄ってく?」
「ううん。今日はやめとく」
「じゃ。またな」
涼も私と同じく、少しクラスの子たちと距離を置くタイプ。
「うん」
勉強は出来るし、人当たりは良いから色々頼りにされるけれど、自分からは余り話しかけたり行動したりしない。
「白井さんって2組の司(つかさ)くんと同じ塾に通ってるんでしょ?」
顔は知ってるけれど、名前を知らない女子にトイレで声を掛けられた。
「そうだけど?」
司は涼の苗字。
「塾っていつ行ってるの?終わる時間は?」
…そんな矢継ぎ早に聞かれても…。
「なんで?本人に聞けば良いじゃん?」
その子は少し嫌な顔をした。
…教えてくれても良いじゃんって顔。
「司くんのこと好きな子が居るの。告白したいんだって」
トイレの壁に寄りかかり、私が答えるのを待っている。
「ふーん」
…どうでも良いけれど。あなたの名前知らない。
数人のグループが入ってきたけれど、お構いなし。
「で?」
早くしてと言わんばかりの態度に少し意地悪がしたくなった。
「月・水・金の9時まで」
私は手を洗い終わり、ハンカチをゆっくりと取り出した。
「そ。ありがと♪このこと司くんには絶対言わないでね!」
鏡越しに嬉しそうに去っていく子。
「だから、あなたの名前知らないんだけど」
鏡に映った自分の顔を見ながら言った。
「判定どうだった?」
隣の席の涼(りょう)が話しかけてきた。
「B…合格圏内だった」
塾に入ってから、仲良くなった…というよりも、少し話すようになった男友達。
「涼くんは?」
涼に聞くと、何も言わず今配られたばかりの高校受験合格判定表を見せてくれた。
「凄い。全部Aじゃん。流石 涼くん」
私立と滑り止めを含めた5校全てがA判定。しかも県内でトップクラスの高校ばかり。
「ラッキーなだけだよ。この間まで、Bとか、Cだった」
時々、駅前の本屋で偶然会ったりもする。
「今日はコンビニ寄ってく?」
「ううん。今日はやめとく」
「じゃ。またな」
涼も私と同じく、少しクラスの子たちと距離を置くタイプ。
「うん」
勉強は出来るし、人当たりは良いから色々頼りにされるけれど、自分からは余り話しかけたり行動したりしない。
「白井さんって2組の司(つかさ)くんと同じ塾に通ってるんでしょ?」
顔は知ってるけれど、名前を知らない女子にトイレで声を掛けられた。
「そうだけど?」
司は涼の苗字。
「塾っていつ行ってるの?終わる時間は?」
…そんな矢継ぎ早に聞かれても…。
「なんで?本人に聞けば良いじゃん?」
その子は少し嫌な顔をした。
…教えてくれても良いじゃんって顔。
「司くんのこと好きな子が居るの。告白したいんだって」
トイレの壁に寄りかかり、私が答えるのを待っている。
「ふーん」
…どうでも良いけれど。あなたの名前知らない。
数人のグループが入ってきたけれど、お構いなし。
「で?」
早くしてと言わんばかりの態度に少し意地悪がしたくなった。
「月・水・金の9時まで」
私は手を洗い終わり、ハンカチをゆっくりと取り出した。
「そ。ありがと♪このこと司くんには絶対言わないでね!」
鏡越しに嬉しそうに去っていく子。
「だから、あなたの名前知らないんだけど」
鏡に映った自分の顔を見ながら言った。