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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第15章 現実の残酷
にっこりと笑って伝える。
「放し、放してっ!!」
兄の狂気を垣間見て一瞬にして熱に浮かされていた頭と身体が冷えて冷静さを取り戻した。
「月良っ!」
急に抵抗と拒絶を再び見せた妹の両手首をベッドに押さえ付ける。
「放してっ、やっぱり嫌っ!!」
兄と〝愛〟のある行為など出来ない。ましてや兄は、暴力的な行為までもを〝愛〟と解釈している。
快楽に流されたとしても心からこの兄との行為を望むことは、出来ない。
「あんなにヨガって俺を求めたクセに、〝やっぱり嫌〟だと?」
妹の態度に一気に怒りが沸点に達する。ギリッと手首を掴む手に力を込める。
「っ、痛・・・痛い、お兄ちゃん・・・・・・ッ」
爪が食い込んでいた。
血の気が引いていくのが判る。兄が静かに怒っているのが伝わる。しかし拒むしかない。こんな関係は、おかしいのだから。