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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第16章 逃れの奇襲
「っ、ぐぅ・・・」
「煩いのは、嫌いなんだ。殺されたくなかったら静かに頼む。」
「っ・・・」
恐怖を感じて頷いて意思表示をした。すると掴んでいた手が離れた。
「っ、ヒューヒュー」
「俺を、覚えてるか?」
「・・・・・・誰、ですか?」
意識がハッキリしないので視界も霞んでよく顔が見えない。
「俺だよ、月良。初めての客になってやったろ?」
顔を近付けてサングラスを外す。
「っっ!!?」
「思い出したか?」
「・・・な、なんで・・・・・・ッ」
目の前には、兄に罪を着せた殺人犯が居た。いまは、獄中に居るハズだ。
「まぁ、捨てる神あれば拾う神ありって・・・ヤツだよ月良。折角逢ったんだから楽しもうか。」
にっこりと恐怖に凍り付く少女に笑い掛けて腰をグッと掴む。ビクッと跳ねると拘束している鎖がやかましく鳴った。