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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第22章  最初の腕<カイナ>へ・・・
  


「彼方・・・・・・」


「心得ております。」


「っ・・・」


 冤罪と薄々勘づきながらも無視をしてその妹を摘み取ったのがもう昔のことのようだ。
 会場に来てから片時も妹を傍から離れさせない。手を握ったまま・・・

 彼の事情を知る者は、その行動を見過ごし。知らぬ者は、見てみぬふりだ。
 どうしても話しをしたかった。執事は、思いを察して下がって行く。


「お兄ちゃん、少し座ってもいい?」


 明け方まで組み敷かれ先程まで抱かれていた身体は、熱が抜けず苦しい。


「具合が悪いなら帰ろう。」


「ううん。お兄ちゃんのお仕事だから、大丈夫。少し座りたいだけ。」


「判った。目の届く所に居ろ。」


「はい・・・」


 命令を素直に訊いて会場隅の椅子に座った。

 元々人混みは、嫌い。ましてや何ヵ月ぶりかも判らない外。見知った顔もあって色々思い出して目眩がする。


  
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