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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第24章  苦痛と云う名の快楽
  


「っ、・・・」


 兄に怯えながらも引き摺り出される前になんとか入り口に立つ。


「たくっ、お前は・・・」


「ごめんなさい・・・」


「ほら、帰るぞ。」


「はい。」


 兄に手を血の気が引くほどに握られる。


「じゃあな。」


「月良、気を付けて。」


「椥さん・・・・・・」


 優しい笑顔にペコッと頭を下げて兄に引かれて建物を出た。

 外は、雨が降っていた。


「奈音、さっさと出せっ!」


 妹を乱暴に車に乗せ自分も乗り込んでドアを乱暴に閉める。


「はーい。
(あらら、〝なにか〟あったのね。)」


 声音とルームミラーでなんとなく察しがついた。


「月良・・・どこまで、許した?」


 横で小さくなり震えている妹に問い掛ける。


「まさか、〝無理矢理〟とか言う馬鹿げた言い訳なんかしないよな?」


  
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