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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第25章  現実を幻想へ
  


 肩に凭れながら震えている妹の頭を撫でてミラー越しに家政夫を見る。


「っ・・・
(私っ!!?いや、めちゃくちゃ上げ膳で美味しいけど・・・ケンカに巻き込まれたくはないのよねぇ。)」


「おい、なに目ぇそらしてんだよ。」


「うわぁっ!!危なっ・・・」


 座席の背もたれを蹴られて急ブレーキを踏むところだった。


「もう、勝手に不機嫌になったりご機嫌になったり家政夫にあたったりなんなんですか!!」


 なんとか家の玄関先に車を停めて悪態を付く。


「そう言うなって。全部月良が悪いんだからな・・・って、落ちてやがる。」


 ため息を付いて妹を抱き上げて車を降りる。


「奈音。今夜は、泊まっていけ。」


「言われなくとそうします。
(残業代、請求してやるんだから。)」


 ドアが閉まり車庫に車を移動させる。


「月良。お前は、俺のモノだ。誰にも渡さん。」


  
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