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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第25章 現実を幻想へ
「そうだ。凄い会場だったんですよ。天井に、えーっと・・・フレスコ画があってこーんな大きなシャンデリアあったんです。
キラキラして綺麗だったんですよ・・・」
「月良、さま・・・?」
会場のことを喜々として話す少女に違和感を覚える。
「それで・・・、奈音さん?どうしたんですか?」
気が付くと家政夫が不可思議な顔をしている。
「あなた、〝誰〟・・・?」
「やだな・・・〝月良〟ですよ。」
にこにこと返す。
「違う。月良さまも笑ってくれるけれどそんな不気味じゃないわ。」
「もう、せっかく〝月良〟として接してあげたのに・・・ダメじゃないですか奈音さん。」
獲物を捕らえたようなギラ付いた瞳を向ける。
「どこから?」
「昨日のことなんか思い出させるからですよ。〝月良〟には許容量オーバーなのに。」